研究課題/領域番号 |
22K07130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
疋田 正喜 秋田大学, 本部, 理事 (60228715)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | B細胞 / IgG / SLE / 記憶B細胞 / 抗原受容体 / シグナル / 自己反応性 / アポトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
体内からの異物の排除に必須な特異抗体を産生する細胞や記憶細胞を生成する場である胚中心においては、B細胞は正の選択と負の選択を受け適切な抗原特異性を持つ細胞のみが分化・増殖することが知られている。一方、この選択機構に異常をきたした場合に、自己を攻撃してしまう抗体を産生する細胞が適切に除去されず、自己免疫疾患発症の引き金になると考えられている。しかし、まったく正反対の反応である正の選択・負の選択をB細胞の抗原特異性によって決定づける分子機構は明らかになっていない。そこで、本研究においては、この点に焦点を当てて詳細に解析することで自己免疫疾患の治療法開発の端緒となる知見を得ることを目標とする。
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研究実績の概要 |
本研究においては、SLE病態形成にParm1の関与の有無を検討することにより、Parm1がSLEに対する創薬ターゲットとなり得るのか否かについて検討することを目的としている。その初期検討として、IgG2a陽性であり、Parm1を恒常的に発現しているA20細胞のParm1遺伝子を欠失させ、Parm1がIgG型BCR依存性のアポトーシスに関与しているのか否かを明らかにすることを試みた。その結果、少なくともBimについては、Parm1欠損A20細胞において、BCRの強架橋によって野生型と比較して発現量がより強く上昇することが明らかとなった。このことは、Parm1がIgG型のBCR依存性のB細胞の選択に関わっていることを強く示唆している。一般的に自己免疫疾患においては、自己反応性のB細胞におけるアポトーシス異常が引き起こされた結果、自己抗体が産生されると考えられていることから、Parm1は事前の期待どおりB細胞の選択異常に関与している可能性が示された。現在、SLEモデルマウスにおけるParm1の発現を詳細に検討しており、来年度以降に、SLEモデルマウスにおけるParm1の役割を明らかにする予定である。また、独自に樹立済みの抗Parm1モノクローナル抗体産生ハイブリドーマについては、無血清培地への馴化が終了したことから、高密度培養を実施中でありin vivo投与が可能となるだけのモノクローナル抗体を大量に得つつある。さらに、ミニスケールでは、当該抗体を精製できるプロトコールを樹立することに成功していることから、今後、大量に抗体を含む培養上清が得られ次第、大スケールでの精製を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初期計画として立案していたB細胞株におけるアポトーシスとParm1の関連性についての解析は順調に進んでおり、その後のin vivoでの実験のために必要な大量のモノクローナル抗体についても順調に得つつあることから、当初の計画どおり順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、モノクローナル抗体を大量に精製後、SLEモデルマウスに投与し、その効果を検証するともに、SLE病態に与える影響を評価する。
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