研究課題/領域番号 |
22K07136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
生谷 尚士 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (40513718)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 2型自然リンパ球(ILC2) / 好酸球 / 肺動脈肥厚 / PAH / ILC2 / IL-5 / IL-33 / Eosinophil |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では重度の肺動脈肥厚を引き起こす免疫細胞の一種である「2型自然リンパ球」の動態制御機構を明らかにし、指定難病である肺動脈性肺高血圧の発症を阻止する技術を開発する。これまでに2型自然リンパ球が肺動脈周囲に集積し疾患の原因となる血管肥厚を誘導するモデルを発表している。このモデルの解析を通じ血管肥厚の起点となる2型自然リンパ球の移行プロセスを明らかにし、その動きを抑制する分子や阻害剤を同定する。
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研究実績の概要 |
本研究は、指定難病である肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary arterial hypertension: PAH)の発症を予防、阻止する技術を開発することを目的としている。PAHは重度の肺動脈肥厚が原因で発症するが、その血管病態の発生機序は不明である。研究代表者は独自に重度の肺動脈肥厚を誘導する動物モデルを開発し、2型自然リンパ球(Innate lymphoid cell: ILC2)と好酸球が血管肥厚を引き起こすことを報告している。血管肥厚はILC2のIL-5産生が起点となるもので、肥厚血管の周囲にはILC2と好酸球の集積が観察される。これまでの研究からILC2の組織間の移動が、PAHに至る重度の肺動脈肥厚に関与している可能性を見出している。このILC2の移動を制御することにより、肺動脈肥厚の抑制を目指す。 これまでにILC2の移動制御にはインテグリン分子が関与することを明らかにしている。本動物モデルはInterleukin-33(IL-33)の長期間の作用により誘導されるが、IL-33はILC2に大きな影響を及ぼす。その一つに細胞表面上のインテグリン分子の発現の変化があることを新たに発見した。短期間のIL-33の作用では、定常状態と比べてインテグリン分子に大きな変化はない。しかしながら、その作用が長期に及ぶとILC2に発現する特定にインテグリン分子に変化が起こる。インテグリンは細胞の動態制御に重要な分子であり、今回変化が起こった分子の機能解析を進めた。その結果、インテグリン分子が細胞の移動を介して肺動脈肥厚に関与していることを突き止めた。本研究成果は、発症機序の解明、血管肥厚の抑制方法の開発につながるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究ではILC2の移行メカニズムを明らかにすることで、病態の形成過程を解明し疾患の予防に貢献していく。これまでに関与が示唆されたインテグリン分子が移行に影響しているのかを調査した。 本年度にはまず、これまでの研究から明らかになったインテグリン分子がIL-33の長期作用によるILC2の移動に影響するのかを遺伝子欠損マウスを用いて検討した。正常なマウスに比べてインテグリン分子を欠損したマウスでは肺動脈肥厚が軽減する。これはILC2の移動に障害があるために起こることが今回新たに判明した。 続いて肺に移動するILC2が存在していたと思われる組織においてILC2の特徴を明らかにした。着目した組織内にはILC2が存在しており、IL-33の作用により肺と同様に活性化され、またインテグリン分子にも変化が観察された。 以上の成果から、本年度は研究計画に沿って順調に進捗し、新たな知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進捗しており、現段階で大幅な変更は必要としない。 今年度の研究成果から、インテグリン分子はILC2の移動の特定のステップに関与していると考えられる。次年度は、当該ステップに焦点をあて、移動するILC2細胞の細胞表面の発現分子や遺伝子発現状況を検討していく。定常状態のILC2と比較することで、どのようメカニズムが移動を制御しているのかを解明していく。
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