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胎児期栄養環境を標的とした乳がん予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K07152
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分50010:腫瘍生物学関連
研究機関京都府立医科大学 (2023)
岡山大学 (2022)

研究代表者

岡田 宣宏  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60742377)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードDOHaD / 乳がん / 脂質代謝
研究開始時の研究の概要

乳がんの予防医療の確立は、女性の活躍が求められる現代社会において重要な課題である。将来の疾患発症リスクが、胎児期環境による影響を強く受けるというDOHaD理論が提唱されている。乳がんにおいても、妊娠前期の栄養環境が子供の将来の乳がん発症リスクに影響を与えることが報告されているが、詳細なメカニズムは明らかになっていない。本研究は、妊娠前期での脂質の摂取が、子供の脂質代謝および将来の乳がん発症リスクに影響を与えるメカニズムを明らかにすることを目的とする。さらに、栄養環境の改善により、子供の成人期での乳がん発症リスクを軽減できるか検討し、予防的先制医療確立の基盤構築を目指す。

研究実績の概要

乳がんは30歳代から増加し、40-50歳代で最多になる、若く働き盛りの女性を襲う病気である。そのため、女性の活躍が求められる現代社会において、乳がんの予防的先制医療の実現は重要な課題である。将来の疾患発症リスクが、胎児期環境による影響を強く受けるというDOHaD理論が提唱されている。乳がんにおいても、妊娠前期の栄養環境が、子供の将来の乳がん発症リスクに影響を与えることが、コホート研究により明らかにされている。しかし、その詳細なメカニズムについては不明である。我々は、これまでの研究により、乳がんの悪性化進展には脂質からのエネルギー獲得が重要であることを明らかにしているため、妊娠期での脂質摂取量が重要であると考えている。本研究では、妊娠期での脂質摂取量が、子供の乳がん発症リスクに影響を与えるメカニズムを明らかにし、栄養環境の改善による予防的先制医療確立の基盤構築を目指している。
我々は、マウスモデルを用い、妊娠期における脂質摂取量が乳がん発症リスクに影響を与えることを明らかにした。さらに、妊娠期における脂質摂取量による子供の乳がん発症リスクの違いには、遺伝子のエピゲノム修飾が関与していると考え、メチル化アレイによる網羅的解析を行うことで、優位にメチル化状態の異なるパスウェイを同定した。現在、これらのメチル化、遺伝子発現および表現系に影響を及ぼす脂質の同定を試みており、リピドミクス解析により7つの脂質に絞り込むことができた。今後、それらの脂質の摂取とメチル化および表現系を繋ぐ機構を明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

妊娠期における母親の脂質摂取量が、子供の乳がん発症リスクに影響を与えることをin vivoマウスモデルを用いた実験により、明らかにすることができた。さらに、メチル化アレイによる網羅的解析を行うことで、優位にメチル化状態の異なるパスウェイを同定することができた。また、これらのメチル化および表現系に影響を及ぼす脂質をリピドミクス解析により7種類の脂質に絞り込むことができた。今後、それらの脂質の摂取による影響を詳細に解析することにより、胎児期栄養がメチル化および乳がん発症リスクを変動させるメカニズムを明らかにすることができると期待している。以上のように、現在まではおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

今年度の研究により、乳がん発症リスクに影響を与える候補脂質を7つに絞り込むことができた。今後、in vitroおよびin vivoモデルを用い、7つの候補脂質を単独もしくは組み合わせることで、メチル化変動の解析を行う。それにより、メチル化状態に影響を与える脂質の組み合わせを決定する。また、現在までにメチル化の違いが遺伝子発現の違いとして現れる時期の決定には至っていないため、経時的なメチル化と遺伝子発現の比較を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] NFYA promotes malignant behavior of triple-negative breast cancer in mice through the regulation of lipid metabolism2023

    • 著者名/発表者名
      Okada Nobuhiro、Ueki Chihiro、Shimazaki Masahiro、Tsujimoto Goki、Kohno Susumu、Muranaka Hayato、Yoshikawa Kiyotsugu、Takahashi Chiaki
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 6 号: 1 ページ: 596-596

    • DOI

      10.1038/s42003-023-04987-9

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] NFYA promotes the malignant behavior of triple-negative breast cancer through the regulation of lipid metabolism2022

    • 著者名/発表者名
      Okada Nobuhiro、Ueki Chihiro、Shimazaki Masahiro、Tsujimoto Goki、Kohno Susumu、Muranaka Hayato、Yoshikawa Kiyotsugu、Takahashi Chiaki
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: -

    • DOI

      10.1101/2022.05.26.493660

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] NFYA promotes the anti-tumor effects of gluconeogenesis in hepatocellular carcinoma through the regulation of PCK1 expression2022

    • 著者名/発表者名
      Tsujimoto Goki、Ito Rin、Yoshikawa Kei、Ueki Chihiro、Okada Nobuhiro
    • 雑誌名

      Frontiers in Cell and Developmental Biology

      巻: 10 ページ: 983599-983599

    • DOI

      10.3389/fcell.2022.983599

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] NFYAによる糖新生促進が引き起こす抗腫瘍効果の検討2022

    • 著者名/発表者名
      吉川慧、岡田宣宏
    • 学会等名
      日本生物工学会西日本支部大会2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 京都府立医科大学大学院病態分子薬理学教室

    • URL

      https://www.kpum-yakuri.jp

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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