研究課題/領域番号 |
22K07159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
原 敏文 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (80456219)
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研究分担者 |
武井 佳史 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (70362233)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 癌化 / スキルス胃癌 / 転移 / メチル基転移酵素 / METTL27 / 癌転移 |
研究開始時の研究の概要 |
癌の転移は、癌による死の直接的な原因である。しかし、癌転移に関わる分子機構は未だ不明な点が多く、癌転移を標的とする根治治療薬は開発されていない。申請者らは、スキルス胃癌の転移機構を解析する過程で、メチル基転移酵素METTL27が癌の悪性化に伴って発現増加することを新たに見出した。そこで本研究は、癌発生から転移までの癌悪性化過程におけるMETTL27の機能解明を目指す。特に、癌悪性化に直結するMETTL27シグナル経路の解明を狙う。本研究は、METTL27が関与する細胞内シグナル経路を明らかにし、METTL27シグナル経路を軸とした新たな癌治療戦略の基盤構築を目指す。
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研究実績の概要 |
癌患者の主要な死因は、癌の転移である。申請者はスキルス胃癌の転移に注目し、これまで研究を進めてきた。その過程において、癌の悪性化に伴い発現増加する遺伝子として、メチル基転移酵素として分類されるMETTL27を新たに見出した。METTL27は、メチル基転移酵素ファミリーに分類される遺伝子である一方、その機能については、未だ不明である。そこで、申請者らは、METTL27が癌の悪性化に関わっているのか、また細胞内分子としてMETTL27はどのような機能を有しているのかについて解析を進めている。 R4年度より、スキルス胃癌の転移モデル細胞株を用いて、ゲノム編集によるMETTL27ノックアウト細胞株の樹立を行っていた。しかし、R5年度に入って、この転移モデル細胞株について研究契約上の問題が発生したため、これら細胞株の使用を中止した。そこで、他の癌種におけるMETTL27の発現を公共データベースを用いて検討したところ、多くの癌において癌の悪性化に伴い、METTL27は発現増加することが明らかとなった。そこで、スキルス胃癌以外の他の癌種も含めた細胞株を用意し、新たに実験を開始することとした。様々な癌種において、METTL27ノックダウン細胞株を樹立し、METTL27の発現低下を確認した。当初の予定とは異なるアプローチとなり、当初の予定よりは遅れているものの、METTL27の機能について特定の癌種に限定されず、癌化における一般的な重要性に視野を広げた研究を実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究契約上の問題が発生し、転移モデル細胞株の使用を中止したため、当初の計画よりも研究の進捗が遅れた。しかし、研究協力者の助けもあり、他の癌種も含めた細胞株を用意することができた。その結果、当初よりも高い目標を設定した研究を実施することが可能な状況に至っている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに樹立したMETTL27ノックダウン細胞株を用いて、研究実施計画通りの実験を予定している。一部の癌種においては、まだMETTL27ノックダウン細胞株を樹立していないので、これらを進めて行くことにより、癌において一般的なMETTL27の機能的重要性について解析を進めていくことを予定している。
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