研究課題/領域番号 |
22K07174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
清水 康平 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 助教 (70727073)
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研究分担者 |
徳永 文稔 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00212069)
塩田 正之 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30381990)
魏 民 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70336783)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プロテオスタシス / ユビキチン / プロテアソーム / がん / Skp2 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な悪性腫瘍において過剰な発現を認めるユビキチンリガーゼ(E3)の一種“Skp2”は、基質である複数のがん抑制因子と選択的に結合し、それらのユビキチン-プロテアソーム系(UPS)によるタンパク質分解を介して細胞のがん化や悪性化を誘導する主要ながん遺伝子産物として認識されている。本研究では、新規E3によるSkp2のプロテオスタシス制御を介したがん抑制機構を個体レベルで明らかにすることを目的とし、本がん抑制機構の破綻からがん発症に繋がる分子基盤を究明する。
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研究実績の概要 |
本年度は、Skp2のユビキチン-プロテアソーム分解を誘導する新規上流E3として同定した分子について、メラノーマ発生における役割を中心に解析を進めた。まず、メラノーマにおいて特徴的に見出される当該E3のRINGドメイン内の点変異がそのE3活性に及ぼす影響を評価したところ、点変異体はSkp2に対するユビキチン化及び分解誘導能が喪失していることが明らかとなった。さらに、当該E3を欠失させたメラノーマ細胞株SK-MEL-2に野生型E3あるいは点変異体を再構成したところ、点変異体再構成株は野生型に比べて細胞増殖速度が上昇し、Skp2の発現量上昇及びSkp2基質の発現量低下が認められた。興味深いことに、野生型E3再構成株ではSkp2の発現量低下に伴い、基質の中でも特にp21の発現量が顕著に上昇していることが明らかとなり、細胞老化が誘導されている可能性が新たに見出された。また、同E3再構成株をヌードマウス皮下に移植したゼノグラフトモデルを実施したところ、野生型に比べて点変異体再構成株では腫瘍形成能の有意な上昇が認められた。これらの結果から、当該E3のRINGドメイン変異はSkp2の安定化を介してメラノーマの発生・悪性化に関与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目に予定していた生化学・細胞生物学的解析、ゼノグラフトモデルの実施を着実に進めることができた。また、同定E3のがん抑制因子としての新たな側面を見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
マウス個体レベルに加え臨床検体を用いて当該E3がSkp2のプロテオスタシス制御を介してがん抑制に寄与しているか検証を進める。また、当該E3変異のメラノーマ発生への関与が示唆されるため、UVダメージ下でのSkp2プロテオスタシス変化に着目して発がん機構を明らかにする。
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