研究課題/領域番号 |
22K07185
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
三輪 武史 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (90775800)
|
研究分担者 |
奥村 知之 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (10533523)
藤井 拓人 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (50567980)
藤井 努 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (60566967)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | CTC / α3NaK / 胃癌 / 膵癌 / マウスモデル / 血中循環腫瘍細胞 / Naポンプ / マウスCTCアッセイ / 強心配糖体 |
研究開始時の研究の概要 |
血中循環腫瘍細胞(CTC)のクラスター化を植物由来の強心配糖体が阻害することが報告された。強心配糖体によるCTCのクラスター化阻害の分子機構の解明を目的とする。フローサイトメトリーを用いることでCTCを生きた細胞のまま検出し抽出し、研究分担者の薬学部藤井によって細胞表面のナトリウムポンプとCTCクラスター化の分子機構解明をすすめる。強心配糖体がCTCクラスター化を阻害する機序を解明することで、治療に使用可能な強心配糖体の抽出や分子構造の特定が可能となり、臨床応用できるようになる。
|
研究実績の概要 |
これまで大腸癌、肝細胞癌、胃癌細胞株を用いた細胞株レベルでのα3NaKの発現と、アノイキス回避におけるα3NaKの機能について検証してきた。 癌細胞の遊離(Detach)操作の際のα3NaKの原形質膜への移行が重要な役割を果たしていると考え、まずは膵癌細胞株の通常のAttach状態とDetach状態を再現し、そのα3NaKの発現を確認した。細胞表面ビオチン化を行い、膵癌細胞株であるPanc1とMIAPaca2を使用して原形質膜のα3NaK発現を比較し、Attach状態ではPanc1とMIAPaca2どちらも、α3NaKの発現認めず、Detach状態ではα3NaKが細胞表面の原形質膜へ移動していることが確認できた。さらに免疫染色でのα3NaKの局在変化について確認した。MIAPaca2を使用してα3NaKを蛍光抗体で染色したところ、Attach状態の膵癌細胞株では主に、細胞質内、核の周囲にα3NaKは分布しており、Detach状態にした細胞では原形質膜(細胞表面)にドット状に分布を認めた。 マウスCTCモデル作成においては、ヌードマウスにMIAPaca2を使用して皮下腫瘍を作成し、6~8週間後に心臓採血を行うモデルを作成した。マウス血を溶血処理し、抗マウスCD45抗体を用いてマウス細胞をネガティブセレクションすることでCTCを濃縮モデルを確立。腫瘍生着率75%、CTC採取率43%の精度でCTCを回収し得た。マウスモデルより回収したCTCに対して、α3NaKの発現を確認し、蛍光抗体法にて原形質膜にドット状に分布することを確認、Detach状態として矛盾ない結果を確認した。今後、強心配糖体作用下でのα3NaK発現について検証する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CTCマウスモデルでのCTC確認は許容できる精度で作成できている。強心配糖体作用下でのチャネル局在変化について検証を始めている。
|
今後の研究の推進方策 |
強心配糖体によるα3NaK分布の変化を検証し、CTCの遊離接着おける作用を検証する。これにより、癌細胞が生存したまま循環する機序の解明につなげる。
|