研究課題/領域番号 |
22K07201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三城 恵美 (佐藤恵美) 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任講師 (00455544)
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研究分担者 |
藤下 晃章 愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 主任研究員 (50511870)
梶野 リエ 愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 主任研究員 (20633184)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 翻訳後修飾 / 大腸がん / プロテオミクス / RNA修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸がんの新しい治療標的を探索する目的で、家族性大腸腺腫症およびそのマウスモデルの腫瘍を用いて解析した。その中からアセチル化修飾に変化のあるRNA修飾酵素NAT10に着目し、さらにNAT10の阻害は大腸がん細胞の増殖を強く抑制することを見出していた。 本研究では、NAT10が腫瘍組織内で活性化していることを明らかにし、大腸がん細胞の生存・増殖に関与する分子メカニズムを解明することを目的としている。本研究成果がNAT10阻害による大腸がん新規治療の開発につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
大腸がんの新しい治療標的を探索する目的で、家族性大腸腺腫症およびそのマウスモデルの腫瘍を用いて解析し、その中から翻訳後修飾のひとつであるアセチル化修飾に着目した。さらにアセチル化修飾に変化のあるRNA修飾酵素NAT10に着目し、さらにNAT10の阻害は大腸がん細胞の増殖を強く抑制することを見出していた。 本研究では、NAT10が腫瘍組織内で活性化していることを明らかにし、大腸がん細胞の生存・増殖に関与する分子メカニズムを解明することを目的とし、本研究成果がNAT10阻害による大腸がん新規治療の開発につながることを期待している。 A)NAT10のRNAアセチラーゼ活性が大腸がん細胞の生存・増殖に果たす役割の検討 研究分担者の多大なる協力の下、大腸がん細胞におけるドキシサイクリン誘導性NAT10の発現抑制系の作製に成功し、ドキシサイクリン誘導的にNAT10の発現を抑制したところ、細胞増殖の抑制を確認することができた。さらに、NAT10発現抑制細胞株のRNAを単離し、RNAアセチル化シチジン(ac4C)認識抗体やそれ以外のRNAメチル化認識抗体を用いて検出したところ、実際にRNAアセチル化シチジンが特異的に減少していることも確認でき、逆に発現抑制を解除すると28Sから回復するが増殖抑制はなかなか回復しないことを確認した。これらのNAT10発現調節細胞をプロテオーム解析することにより、細胞内で起こっている現象を解明して腫瘍化メカニズムを明らかにしようとしており、核や転写因子に関与するタンパク質に変動が見られるような興味深いタンパク質で有意に差のある結果を得つつある。現在は、プロテオーム解析上の前処理や測定の最適化に取り組み、新しい解析手法を検討しながらより良い結果を得られるよう工夫を重ねている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい所属先での業務が多く、十分な解析時間が取れていない状況ではあるものの、プロテオミクスの技術習得は格段に進んでいる状況であります。 本研究の計画である、A-1の生物由来試料を用いた活性測定系構築としては、市販の抗体を用いた修飾RNAの測定系を構築することができました。研究分担者の多大なる協力の下、A-2である大腸がん細胞株のドキシサイクリン誘導性NAT10発現抑制系の構築にも成功しました。これらの系を用いて、NAT10を発現抑制すると、RNAのac4c修飾が激減し、増殖の抑制が生じることも検出し、逆に発現抑制を解除すると28Sから回復していることを確認したが増殖抑制作用はなかなか回復しないことを確認しました。その細胞を用いて我々が得意なプロテオーム解析を実施したところ、核や転写因子に関与するタンパク質に変動が見られることを確認しました。 以上のことから、おおむね順調に進捗していると判断しました。
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今後の研究の推進方策 |
現在は直接質量分析装置を扱い、プロテオミクスを実施できる部署を運営しております。プロテオミクスの技術革新は目覚ましく、昨年取り入れたSP3法では、これまで禁忌だったSDSを使って完全に可溶化したサンプルからのトリプシン消化が可能となり、簡便さと結果の安定性を手に入れました。また、測定法であるDIA法は、DDA測定法のみだった頃に比べてタンパク質の同定数を格段に増やしており、何をターゲットとするかで測定法ごとに使い分けをしながら測定しております。これからも、プロテオミクスの条件の最適化を進め、より良いデータが得られるように改善しつつ、測定して得られたデータの解析技術向上にも取り組みたいと思い、ネットワークを広げているところです。 愛知県がんセンターとの物理的な距離が少しできてしまったので、できるだけ頻繁にコンタクトを取れるようにwebツールを使ったり訪問したりしながら、連携を深めていきたいと考えております。
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