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NRF2依存性がんに脆弱性をもたらす転写因子ネットワークの変化

研究課題

研究課題/領域番号 22K07204
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分50010:腫瘍生物学関連
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

北村 大志  東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (20706949)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードNRF2 / 転写因子 / 肺がん / KRAS / NRF2依存性がん / 酸化ストレス / 腫瘍微小環境 / 転写因子ネットワーク
研究開始時の研究の概要

転写因子NRF2の異常な活性化を呈する「NRF2依存性がん」は腫瘍形成能が高く、化学療法・放射線療法に抵抗性であり、その患者の予後は極めて不良である。これまでNRF2はがん増殖シグナルにより活性化しその悪性化に貢献すると考えられてきた。今回、申請者は、NRF2依存性がん細胞において、がん増殖シグナルの下流でNRF2の転写活性化能を抑制する可能性のある因子について検証する。

研究実績の概要

転写因子NRF2はがん細胞で、NRF2の負の制御因子であるKEAP1遺伝子の体細胞変異などによりKEAP1-NRF2制御系が破綻してNRF2が異常に活性化しており、その細胞増殖・腫瘍形成・治療抵抗性などをNRF2に大きく依存した状態になっている このような「NRF2依存性がん」は予後が極めて不良である。このように、悪性化がんにおいてNRF2は治療標的のひとつとして有望視されている。ヒト肺がんにおいて、NRF2依存性がんはKEAP1とKRASの体細胞変異の共起によって成り立っており、RASシグナルもNRF2を活性化するシグナルである報告があった。本研究ではこれまでの研究結果にもとづき、RASの下流因子でNRF2の転写活性化能制御する因子を同定し、そのメカニズムを検証することを目的としている。前年度は、RASシグナルの下流において、NRF2の転写活性化能を低下させるシグナル因子候補をいくつかに絞っていた。
前年度に引き続き、シグナル候補因子について様々な実験を行ってきた。今年度は、それぞれの候補シグナル因子について阻害剤やsiRNAによるノックダウン実験、または過剰発現系による候補シグナル因子のNRF2転写活性化能に対する効果について検証した。その結果、NRF2転写活性化能を阻害する効果が高い、一つのリン酸化シグナル因子経路を同定した。興味深いことに、このシグナル経路は特に腫瘍形成時に変化を見せることから、RAS経路が3D培養時に特異的に働き、NRF2転写活性化能を阻害すると推察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

RASシグナルの下流でNRF2の転写活性化能を制御する候補因子を順調に絞ることができてた。これらの阻害経路が特異的に機能する条件についても検討し、より詳細なメカニズムに迫ることができた。

今後の研究の推進方策

同定した因子についてヒト肺がん細胞株や臨床データなどを用いて、その効果について検証を進める方針である。また、平面培養と3D培養、もしくは腫瘍形成時においてRASの下流シグナルがどのように変化していくかを検証する実験を行う。次年度は研究結果をまとめて、国際誌に研究結果を報告する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (17件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Genetic, metabolic and immunological features of cancers with NRF2 addiction2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Kitamura, Haruna Takeda, Hozumi Motohashi
    • 雑誌名

      FEBS Lett.

      巻: 596 号: 16 ページ: 1981-1993

    • DOI

      10.1002/1873-3468.14458

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Establishment of Neh2-Cre:tdTomato reporter mouse for monitoring the exposure history to electrophilic stress2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Kitamura, Tetsuya Oishi, Shohei Murakami, Tomoe Yamada-Kato, Isao Okunishi, Masayuki Yamamoto, Yukio Katori, Hozumi Motohashi
    • 雑誌名

      Free Radic Biol Med

      巻: 193 ページ: 610-619

    • DOI

      10.1016/j.freeradbiomed.2022.11.004

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 全長ウイルスゲノム配列による東アジア地域EBウイルス株の系統解析2023

    • 著者名/発表者名
      北村大志, 矢島美彩子, 生田和史, 神田輝
    • 学会等名
      第70回ウイルス学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 胚盤特異的マイクロRNA群が誘導するサイトメガロウイルスの産生2023

    • 著者名/発表者名
      生田和史, 矢島美彩子, 北村大志, 神田輝
    • 学会等名
      第70回ウイルス学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 先天性サイトメガロウイルス感染における胎盤由来マイクロRNA群の役割2023

    • 著者名/発表者名
      生田和史, 矢島美彩子, 北村大志, 神田輝
    • 学会等名
      日本細菌学会東北支部総会・学術集会 2023年8月21日
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] EBウイルスゲノムの東アジアにおける地域差に関する解析2023

    • 著者名/発表者名
      北村大志, 矢島美彩子, 生田和史, 神田輝
    • 学会等名
      第75回日本細菌学会東北支部総会・学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 胎盤由来マイクロRNA 群によるサイトメガロウイルス感染の誘導2023

    • 著者名/発表者名
      生田和史, 矢島美彩子, 北村大志, 神田輝
    • 学会等名
      第36回ヘルペスウイルス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 東アジアにおけるEB ウイルスゲノムの地域差に関する解析2023

    • 著者名/発表者名
      北村大志, 矢島美彩子, 生田和史, 神田輝
    • 学会等名
      第36回ヘルペスウイルス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] EBウイルスゲノムの東アジア地域間における多様性に関する系統解析2023

    • 著者名/発表者名
      北村大志、矢島美彩子、生田和史, 神田輝
    • 学会等名
      第31回EBV感染症研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 改変コンディショナルリプログラミング法によるEBウイルス陽性胃がん細胞株化の試み2022

    • 著者名/発表者名
      神田輝, 北村大志, 生田和史, 清野透
    • 学会等名
      第69回日本ウイルス学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 胎盤栄養膜由来microRNA群によるサイトメガロウイルス産生の誘導2022

    • 著者名/発表者名
      生田 和史, 矢島 美彩子, 北村 大志, 神田 輝
    • 学会等名
      第69回日本ウイルス学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Inhibition of xCT,cystine/glutamate transporter, supresses chronic inflammation in a mouse model of inflammatory bowel disease2022

    • 著者名/発表者名
      岩城英也, 関根弘樹, 村上昌平, 加藤伸史, 北村大志, 福田真嗣, 曽我朋義, 角田 洋一, 正宗淳, 本橋ほづみ
    • 学会等名
      The 12th International Conference on the Biology, Chemistry, and Therapeutic Applications of Nitric Oxide
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] マウス胎児線維芽細胞を用いたNRF2活性化腫瘍モデルの作成2022

    • 著者名/発表者名
      飯田謙人, 岡崎慶斗北村大志, 村上昌平, 本橋ほづみ
    • 学会等名
      第81回日本癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] NRF2依存性がんの脆弱性を生み出す因子の解析2022

    • 著者名/発表者名
      北村大志, 神田輝, 本橋ほづみ
    • 学会等名
      第81回日本癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] EBV複製時におけるhost-shutoffとRNAポリメラーゼIIの機能修飾2022

    • 著者名/発表者名
      神田輝, 北村大志
    • 学会等名
      第81回日本癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 胎盤で高発現するmicroRNA群によるサイトメガロウイルス産生の誘導2022

    • 著者名/発表者名
      生田和史, 矢島美彩子, 北村大志, 神田輝
    • 学会等名
      第74回日本細菌学会東北支部会学術集会・総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 胎盤栄養膜由来microRNA群によるサイトメガロウイルス産生の誘導2022

    • 著者名/発表者名
      生田和史, 矢島美彩子, 北村大志, 神田輝
    • 学会等名
      第46回国際ヘルペスウイルスワークショップ
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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