研究課題/領域番号 |
22K07215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山下 和成 順天堂大学, 医学部, 助教 (70589481)
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研究分担者 |
折茂 彰 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (70275866)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 癌関連線維芽細胞 / 乳癌 / 癌微小環境 / 転写因子 / 炎症性サイトカイン / 炎症 / ストレス応答 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞の近傍に存在する癌関連線維芽細胞(CAFs)は、癌悪性化を促進することが知られている。よって、CAFsの発生機序や癌悪性化機構の解明は癌征圧のために重要である。CAFsにはいくつか種類があり、その一つである炎症性CAFsは、炎症性サイトカインを分泌することで、癌細胞の増殖や腫瘍免疫抑制に働いている。申請者らは、乳癌CAFsに高発現するある転写因子が炎症性サイトカインの産生に必須であることを見出した。本研究では、この転写因子の上流調節因子および下流制御因子の同定を行い、また、動物モデルを用いた機能解析等を行う。炎症性CAFsの発生機序を解明し、この知見を応用した癌治療法開発を目指す。
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研究実績の概要 |
がんは、その90%以上が上皮細胞由来であると言われるが、腫瘍の中には癌細胞だけではなく、線維芽細胞・免疫細胞・血管などが含まれており、これらは癌微小環境を形成する。腫瘍内に存在する線維芽細胞は癌関連線維芽細胞(Cancer-Associated Fibroblasts; CAFs)と呼ばれ、癌細胞の増殖・転移や抗癌剤への抵抗性を促進することが示されている。CAFsは正常な線維芽細胞と比べて遺伝子発現が変化しており、癌細胞に有利な微小環境を構築する特徴的な性質を発揮している。これら理由から、線維芽細胞がCAFsに変化するメカニズムを明らかにすることは、CAFsを標的とする癌治療法を開発する上でも重要である。 CAFsの中にもいくつかの細胞種(サブタイプ)が存在していることがわかっており、平滑筋アクチン (α-SMA)が陽性で細胞外基質を分泌して組織を硬化させる平滑筋様CAFsや、炎症性サイトカインを分泌する炎症性CAFsが主なサブタイプである。炎症性CAFsは、IL-1やCCL2などの炎症性サイトカインを分泌することで、癌細胞の増殖や腫瘍免疫抑制に働いている。 研究代表者らはヒト乳癌CAFsに高発現する転写因子に着目し、上記マーカー遺伝子の発現を指標にしてsiRNAスクリーニングを行った。その結果、ある転写因子(TF-S)がIL-1やCCL2の発現に必要であることがわかった。 CAFsでTF-Sをノックダウンし、RNA-seqとGSEA解析を行ったところ、TF-SのノックダウンでNF-kBシグナルが低下していることが示唆された。また、TF-Sの高発現を行ったところ、IL-1やCCL2の発現上昇が認められたことから、TF-SはNF-kBシグナルの上流因子として働くことが強く示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
TF-Sの抗体作製が予定より遅れている。この抗原蛋白質は、大腸菌発現系での精製が難しいようである。現在、いくつかの抗原を作製している。また、TF-Sの高発現も発現量が低い。現在、レンチウイルス発現ベクターをいくつか試している。
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今後の研究の推進方策 |
高発現するTF-SにはHAタグが付加してあるので、HA抗体でChIPを行う予定である。また、良質な抗体が作製できた場合はこれを用いる。さらに、培養癌細胞とCAFsを混合して免疫不全マウス皮下に共移植すると、癌細胞と正常線維芽細胞を混合して共移植した場合よりも腫瘍の成長が早く、また、転移能も高くなることがわかっている(マウス共移植モデル)。CAFsのTF-SをshRNAの安定発現によりノックダウンして癌細胞と共移植し、腫瘍の成長や転移能が低下するか評価する予定である。
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