研究課題/領域番号 |
22K07222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
田中 陽子 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞老化研究部, 特任研究員 (40647434)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 細胞老化 / エクソソーム / 細胞外小胞 / 糖鎖 / がん微小環境 / 老化細胞 / 膵臓がん / CAF / SASP |
研究開始時の研究の概要 |
近年、老化細胞を体内から除去することで加齢性疾患の発症が遅延するだけでなく、がんによる死亡を抑制しマウスの寿命が延びることから、老化の分子機構の解明とその制御は超高齢化社会を迎えた我が国の喫緊の課題である。老化細胞から多量に分泌されるものの一つであるエクソソームはがん細胞の増殖を促進する事が報告されているが、その機能は十分に解明されていない。そこで、老化細胞由来のエクソソームのがん細胞への取り込みのメカニズムを明らかにし、がんの進展制御を目指す。
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研究実績の概要 |
がん微小環境に存在する間質細胞では細胞老化が誘導されており、がん関連線維芽細胞として炎症性タンパク質やエクソソームの分泌が亢進している。エクソソームは細胞から分泌される小胞であるが、この中にはタンパク質だけではなく脂質や核酸など様々な分子が含まれており、細胞間の相互作用に非常に重要であると考えられている。このエクソソームの受容において小胞表面の糖鎖修飾が重要であることが明らかになりつつあるが、老化細胞由来のエクソソームの表面糖鎖修飾プロファイルや機能は明らかではない。そこで、老化細胞由来のエクソソームのがん細胞への取り込みのメカニズムを明らかにし、がんの進展制御を目指している。 これまでの研究結果から、老化細胞由来のエクソソーム表面の糖鎖修飾は細胞分裂を盛んにおこなう若い細胞とは異なっており、がん細胞などの受容細胞へのエクソソーム取り込み効率が高いことが明らかとなった。また、エクソソーム膜表面の糖鎖修飾の改変や、糖鎖修飾を受けている特定のタンパク質を制御することによりエクソソームの受容細胞への取り込みが変化することを明らかにした。これらの結果をふまえて、次年度はエクソソーム膜上のタンパク質の糖鎖修飾によって受容細胞との相互作用が変化する詳細な分子メカニズムを明らかにすることを目指して解析を行うことを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エクソソームの取り込みに重要な糖鎖修飾を受けているタンパク質を同定し、そのタンパク質に注目して様々な検証実験を行っており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
エクソソームの取り込みに重要なタンパク質と受容細胞との相互作用メカニズムを明らかにし、病態との関連をがん細胞移植モデルを用いて、さらに詳細に解析する予定である。
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