研究課題/領域番号 |
22K07227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
堂本 貴寛 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (80635540)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 獲得耐性 / 浸潤 / がん幹細胞 / GSK3β / 薬剤耐性 / がん幹細胞性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、がんの悪性進展に対し、難治性の元凶である腫瘍浸潤、治療耐性と、がん幹細胞性の連関と協働作用について、申請者らが先駆的に見出したglycogen synthase kinase (GSK) 3βのがん促進作用メカニズムに着目して、膵がんの腫瘍浸潤と治療耐性およびがん幹細胞性の連関を明らかにする。これにより、GSK3βの作用から悪性形質の関係性を解明し、本酵素を標的としてがん悪性連関を解除することが難治性膵がんの新たな治療戦略になるかを検討する。
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研究実績の概要 |
これまで我々は、膵がんをはじめとする難治性がんに対して細胞浸潤過程とその分子調節機構をGSK3βに着目して解明してきた。そして、それらのがんで治療抵抗性に関わる幹細胞性の維持にGSK3βの活性化が関与していることを明らかにした。本研究では、膵がんの抗がん剤獲得耐性と浸潤性およびがん幹細胞性に着目し、それら悪性形質の連関をGSK3βの働きから解明するとともに、GSK3β阻害によるがん悪性連関の解除が新たな治療戦略になるかを検討する。本年度は下記の研究計画を実施した。 (1)膵がん細胞同所移植モデルマウスを用いたGSK3β阻害による抗腫瘍効果の検討 ゲムシタビン感受性膵がん細胞BxPC-3とゲムシタビン耐性獲得細胞を同所性に移植したモデルマウスを対象に、GSK3β阻害剤とゲムシタビンをそれぞれ単独、あるいは併用して薬剤の治療効果を評価した。そして、GSK3β阻害剤とゲムシタビンを併用することによって、耐性細胞であっても移植腫瘍の増大を抑制できることを見出した。また、GSK3β阻害剤をマウスに対して投与しても明らかな有害事象は観察されなかった。 (2)悪性形質(浸潤能)に対するGSK3βの作用とメカニズムの解析 ゲムシタビン耐性細胞における浸潤仮足(invadopodia)の形成と細胞浸潤に対して、GSK3β阻害剤の効果を検討した。その結果、耐性獲得によって増強された細胞の浸潤性については、GSK3β阻害剤を処理することによって浸潤仮足の形成が抑制され、耐性細胞の浸潤能を顕著に抑制できることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りにおおむね研究を進めることが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
耐性細胞に対するGSK3β阻害剤の効果と作用メカニズムの解析がおおむね計画通り進行し、マウスの治療実験についても飼育観察を終了した。次年度以降は、マウス組織の解析を主に実施する。
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