研究課題/領域番号 |
22K07231
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
阿部 かおり (一瀬かおり) 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (80587593)
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研究分担者 |
三宅 智博 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00636110)
島津 研三 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30448039)
渡部 直史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90648932)
加藤 弘樹 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20448054)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 乳癌センチネルリンパ節 / 新規トレーサー / ラジオアイソトープ / 治療用抗体 / 金ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
乳癌の予後予測に最も重要な因子として腋窩リンパ節転移の有無が挙げられる。これを評価するための低侵襲な方法として、センチネルリンパ節生検が広く行われている。本研究では究極の低侵襲腋窩ステージングとして、SLN転移の画像診断を可能とし、さらにはリンパ節転移に対する治療効果までも有する新規トレーサーを開発する。免疫不全マウスにヒト乳癌細胞を移植し、SLN転移モデルを確立し、抗腫瘍効果を持つ核種(64Cuや211At等)と乳癌細胞に特異的に結合する治療用抗体 (CetuximabやTrastuzumabなど)に金ナノ粒子を組み合わせた新規トレーサーを投与し、その効果を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では乳癌の最大の予後予測因子である腋窩リンパ節転移の有無をより低侵襲に評価し、リンパ節転移を認めた場合でも治療まで可能となる新規トレーサーの開発を目指す。 2022年度は乳癌xenograftにおけるセンチネルリンパ節(SLN)転移モデルの確立を目標とした。転移を病理組織学的に証明するため、免疫染色でより鮮明に確認できるEGFR高発現トリプルネガティブ乳癌細胞株を検討し、SLN転移モデルの確立を達成した。 2023年度以降の目標として、乳癌xenograft における新規トレーサーを用いたSLN のマッピングと転移評価、及び治療効果判定を掲げてきたが、EGFR高発現ヒト乳癌細胞株を移植したマウスに64Cu-PTCA- Cetuximabの全身投与、局所投与を行い、PETにて集積を観察したところ、腫瘍とリンパ節への集積を認めることができた。SLN生検を行い病理組織学的にSLN転移を確認し、64Cu-PTCA-Cetuximabが新規トレーサーとしてSLN転移診断に有用な可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は乳癌細胞株をよりEGFR高発現であるMDA-MB-468に変更したことで、SLN転移の病理組織学的な評価がより明確となった。また、64Cu-PTCA-Cetuximabをマウスへ全身投与・局所投与することで、転移陽性のSLN内部へトレーサーが集積したことを確認できた。 総じておおむね順調に経過していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在、トリプルネガティブ以外のSubtypeであるHER2陽性株を用いて、新規トレーサーの開発を開始したところである。また、トリプルネガティブ乳癌xenograftにおける新規トレーサーを用いたSLN のマッピングと転移評価、及び治療効果判定に関しては、A.新規トレーサーの全身投与による腫瘍集積能力の評価、B.新規トレーサーの局所投与によるSLNへの集積の観察、C.抗腫瘍効果の病理学的評価、を予定している。Aは2022年度2023年度に達成、Bも2023年度に一部達成できている。 Cを中心に2024年度は取り組んで行く。
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