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Autophagyに着目した、膵癌における免疫抑制微小環境の解明と新規治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K07235
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
研究機関九州大学

研究代表者

当間 宏樹  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80437780)

研究分担者 佐田 政史  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10783508)
阿部 俊也  九州大学, 大学病院, 助教 (20722028)
森山 大樹  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70586859)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード膵癌 / Autophagy / CAF / 腫瘍免疫 / 腫瘍免疫微小環境 / 樹状細胞 / 膵癌間質 / 膵癌微小環境 / Autophagy抑制 / 腫瘍免疫療法
研究開始時の研究の概要

抗腫瘍免疫とAutophagyの関連が近年報告されているが、癌細胞のAutophagy抑制することによる腫瘍抗原の発現と樹状細胞の関係や、癌間質におけるAutophagy抑制の抗腫瘍免疫への影響はいまだ明らかにされていない。本課題では、膵癌微小環境におけるAutophagyと腫瘍免疫の関係に着目し、「膵癌細胞のAutophagyと樹状細胞の関係」「CAFのAutophagy抑制による膵癌微小環境と腫瘍免疫への影響」の2つにフォーカスしてAutophagy抑制剤と腫瘍免疫療法との併用効果を検証し、停滞する膵癌治療においてブレイクスルーとなり得る新規治療法の開発を目指す。

研究実績の概要

難治性腫瘍の代表である膵癌においては腫瘍免疫療法の有効性は示されていない。我々は、膵癌の免疫抑制性微小環境を形成する重要なファクターとして膵癌微小環境におけるAutophagyに着目した。
今年度は、さらに詳細な解析を行うため、scRNA-seq解析による腫瘍免疫微小環境の解析を行った。マウス同所移植モデルを用いて、膵癌細胞のAutophagyを抑制したKPCshATG7を移植したKPC shATG7群と、コントロール群(KPC-shNC)の腫瘍のscRNA-seq解析を行って網羅的に免疫微小環境を比較した。すると、Autophagy抑制腫瘍(KPC-shATG7)において、コントロールと比較して有意にDCのAntigen-presenting genes、Migration genes, Maturation genesの発現が上昇していた。これらの遺伝子群の上昇はcDC2のクラスターにおいて特に顕著であった。しかし、一方で腫瘍内CD8+ T cellの解析を行ったところ、Autophagy抑制腫瘍において、Exhausted CD8+ T cellsのクラスターにおける疲弊化マーカーの発現が著明に上昇していることが明らかになった。さらに我々は、ヒト膵癌組織のscRNA-seqのpublic dataの解析も行い、我々のマウスモデルにおけるデータと同様、癌細胞のAutophagy関連遺伝子の発現が低い症例において、有意にDCの機能に関与する遺伝子群の発現が上昇していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初、我々は膵癌における腫瘍免疫とAutophagyの関係性について、「膵癌細胞のAutophagyと樹状細胞の関係」と「CAFのAutophagy抑制による膵癌微小環境と腫瘍免疫への影響」の2つにフォーカスして研究を開始したが、CAFのAutophagy抑制については期待していたほどの免疫増強効果は得られなかった。一方で、癌細胞のAutophagyを抑制した場合は、著明に腫瘍が縮小し、免疫微小環境の解析でもCD8+ T cellや活性化DCが増加していることが分かった。今年度は、主にscRNA-seq解析により膵癌細胞のAutophagyと免疫微小環境の網羅的な解析を行ったところ、DCの機能関連遺伝子の上昇を認めた一方で、腫瘍内CD8+ T cellの疲弊化も誘導されることが明らかになった。さらに、疲弊化分子の中でも、LAG3の発現頻度が著明に高く、発現レベルも他の疲弊化分子に比較して著明に高いことが分かった。これらの結果から、Autophagy阻害剤と併用する上で、抗LAG3抗体がより抗腫瘍免疫を増強させる可能性が示唆された。以上のことより、予想された結果以上の発見があり、当初の計画以上に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

我々は、scRNA-seqの解析結果を踏まえ、膵癌細胞のAutophagyを抑制することでDCの活性化を介した抗腫瘍免疫の増強を惹起する一方で、LAG3の発現上昇を特徴とするCD8+ T cellの疲弊化も誘導されることを明らかにした。これらの結果から、Autophagy阻害剤と併用する組み合わせとして、DC誘導剤、aLAG3抗体の3剤併用療法の可能性を考え、すでにマウス膵癌モデルを用いて著明な腫瘍縮小効果を確認している。これらの結果を論文としてまとめ、英文雑誌への投稿を目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 膵癌細胞のAutophagyを標的とした 新たな抗腫瘍免疫増強メカニズムの解明2023

    • 著者名/発表者名
      小山虹輝、仲田興平、林昌孝、伊達聡美、持田郁己、岩本千佳、池永直樹、大内田研宙、中村雅史
    • 学会等名
      第54回日本膵臓学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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