研究課題/領域番号 |
22K07238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
李 政樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (00567539)
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研究分担者 |
前川 京子 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (70270626)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / バイオマーカー / 血漿 / 代謝物 / エキソソーム / 血小板 / 免疫回避 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、多発性骨髄腫の上記薬剤の耐性機序を血漿中の代謝物・エキソソームと抗腫瘍免疫能の低下との関連にて明らかにする。治療の耐性獲得時に採取した患者さんの血漿の代謝物とエキソソームを耐性前のものと比較し、特定の代謝物とエキソソームの内包因子を同定する。その機能的意義は、骨髄腫細胞と血小板との結合能、およびストローマ細胞と相互作用から探索する。本研究により、抗腫瘍免疫を抑制する特定の代謝物とエキソソームの因子が同定しえれば、新規標的の開発ならびに将来普及する免疫・細胞療法(CAR-T療法など)の耐性機序の解明にも寄与する。
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研究実績の概要 |
本研究では、多発性骨髄腫の治療薬の耐性機序を血漿中の代謝物・エキソソームと抗腫瘍免疫能の低下との関連にて明らかにするために、耐性獲得時に採取した患者の血漿の代謝物・エキソソームを解析することを主対象としている。これまで、血漿中の産物(代謝物・エキソソーム・血小板など)が腫瘍免疫能の低下とどのようにかかわるかを探索するために、腫瘍細胞のHLA発現量に与える影響を評価した。主要な固形癌の細胞株を用いて、細胞株と健常人の血小板分画(多血小板血漿)を共培養し細胞株におけるHLA発現量の変化を調べたところ、複数の細胞株でHLAの発現上昇が見られた。一方、骨髄腫患者さんから採取された血症からエキソソームを単離し、免疫細胞へ与える影響を検証したところ、T細胞を中心とした細胞傷害性リンパ球に対して、サイトカイン産生能を低下させ、さらに活性化分子の抑制および、疲弊マーカーを誘導した。検証したほぼすべての症例の血清エキソソームに免疫抑制効果が見られた。今後さらなる、症例蓄積により検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血漿中の産物が腫瘍免疫能の低下にどのようにかかわるかを探索することを最初に取り組んだが、固形がん細胞株を用いた検証で予備的なデータが得られているものの、骨髄腫細胞株を用いた検証は未着手である。その一方で、骨髄腫患者検体の血清エキソソームによる解析が進んだたため、上記評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
主要な骨髄腫細胞株を用いて、細胞株と健常人の血小板分画(多血小板血漿)を共培養し、細胞株におけるHLA発現量の変化を調べる予定である。さらに、HLA発現以外にも、免疫チェックポイント分子などを探索する予定である。さらには、髄腫患者検体の血清エキソソームによる解析を症例数を増やして検証していき、骨髄腫におけるエキソソームによる免疫抑制効果について探索していく予定である。
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