研究課題/領域番号 |
22K07242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
田中 裕子 東京医科大学, 医学部, 講師 (70449130)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腫瘤形成骨髄腫 / 多発性骨髄腫 / 乳酸シャトル / 腫瘍免疫 / 髄外形質細胞腫 / MCT |
研究開始時の研究の概要 |
骨髄腫治療は、抗CD38抗体薬や免疫調節薬など免疫機序を介した治療が確立し骨髄腫細胞の増殖・生存維持に免疫細胞が重要な役割を果たしていることが想定される。一方で免疫チェック阻害薬は開発が中止されており、骨髄腫に特有な免疫環境を理解しそれに適した新規薬剤投与のストラテジーを確立することが求められている。本研究では、骨髄腫腫瘍微小環境を構成する免疫細胞と免疫環境維持に関わる乳酸シャトルに関与するMCT1・MCT4発現を評価し臨床情報との相関を解析する。特に治療薬への感受性、腫瘤形成形質細胞腫、ハイリスク染色体異常などとの相関に着目し治療薬選択や予後、難治性に関わるバイオマーカーを同定していく。
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研究実績の概要 |
骨髄腫細胞のクローンは多様であり腫瘤形成形質細胞腫を形成する細胞と骨髄穿刺などで得られる骨髄内の細胞では代謝システムや免疫環境などの骨髄腫細胞が進展するメカニズムに相違があるという仮説を立て骨髄穿刺検体と形質細胞腫検体の双方が採取されている45例を解析している。一方、腫瘤形成のない骨髄腫との免疫、代謝の腫瘍微小環境の相違を明らかにするため診断時に腫瘤形成を伴わない40例を設定し臨床情報の収集と解析を継続している。FISH検査による染色体異常の検証では、予後因子として挙げられているt(4;14)、t(14;16)、1q+、del17pに加えて近年予後不良因子として注目されているdel1qの解析を追加した。特に1番染色体に関する異常は、腫瘍免疫に関与する進展機序が疑われており、腫瘍微小環境での免疫細胞浸潤と代謝システムを解析することで骨髄腫の進展様式や治療抵抗性のメカニズムについて新たな知見を得られることが期待される。 組織におけるMCT1・MCT4発現、T細胞浸潤の解析は、抗体の選択や蛋白発現量、細胞数などのカットオフ値設定が引き続き難航しており1年経過してもデータを得られていない。次年度以降は、腫瘍微小環境の免疫、代謝に関するバイオマーカーについて新たな因子を探索することも考慮する。最終的には、細胞レベルでの代謝システムと免疫環境の評価を治療や予後などの臨床データと関連づける因子を同定できるよう研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
T細胞浸潤を評価するための免疫染色方法やカットオフ値、MCT1・MCT4発現の評価が設定できず非常に進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床情報、画像所見、FISH法による染色体異常などのデータを基に今回対象となった腫瘤形成骨髄腫と対照群として腫瘤形成がない骨髄腫症例を40例について二群間の臨床データによる検証を引き続き継続する。免疫細胞浸潤やMCT1・MCT4発現などの微小環境での代謝システムのデータを収集し、臨床データとの関連を評価していく。特にFISH法による染色体異常と骨髄腫の腫瘍微小環境との関連について注目し解析していく。
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