研究課題/領域番号 |
22K07257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
井上 賢之 自治医科大学, 医学部, 講師 (80375279)
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研究分担者 |
佐久間 康成 自治医科大学, 医学部, 教授 (10296105)
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
堀江 久永 自治医科大学, 医学部, 教授 (20316532)
高橋 将文 自治医科大学, 医学部, 教授 (40296108)
佐田友 藍 自治医科大学, 医学部, 助教 (40528585)
山田 直也 自治医科大学, 医学部, 研究員 (50611787)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 直腸癌 / 化学放射線療法耐性 / フェロトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
直腸癌に対する術前化学放射線療法 (Chemoradiotherapy: CRT) は、病巣を縮小させ、手術後の局所再発率を低下させる効果がある。しかし、その効果は患者によって大きく異なり、CRTの治療効果を高めることは患者の予後向上を考える上で重要である。CRTは癌細胞を細胞死に至らせるが、耐性獲得により癌細胞は生存し続けてしまう。近年新たに発見されたフェロトーシスという現象は、細胞内の抗脂質酸化機構が関与する、これまでと全く異なるタイプの細胞死である。フェロトーシスを誘導することによりCRTの効果を高め、直腸癌の新たな治療オプションの開発を目標としている。
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研究実績の概要 |
局所進行直腸癌に対する術前化学放射線療法 (Chemoradiotherapy: CRT) は、原発巣を縮小させ手術を容易にするだけでなく、局所再発率を低下させる効果があり本邦でも徐々に普及しつつある。しかし、その奏効性は患者によって大きな相違があり、CRTの治療効果を高めることが直腸癌患者の予後向上を考える上で最も重要である。CRT後の完全奏功率はわずか10%前後と低く、各患者で同様の効果が得られないという問題点がある。CRT奏功率を改善し、進行直腸癌に対する新たな治療法を開発することは臨床成績の向上にとって重要な課題である。そこで我々は、鉄依存的な細胞死=フェロトーシスに注目した。抗脂質酸化機構の阻害(フェロトーシスの誘導)により、CRT増感作用を惹起させ、効率的に細胞死をもたらすことができるのではないかと考えた。 大腸癌細胞株Caco2を用いて、フェロトーシスを誘導する化合物の一つであるRSL3(RAS-selective lethal 3)の効果を検証する実験を行った。抗がん剤5-FUを添加し、24時間培養した後、大腸癌細胞株が死なないことが確認されている放射線量である4グレイを照射した。照射7日後に、細胞を回収し、96ウェルプレートに蒔きなおし、オーバーナイトで培養した。その後、RSL3を添加し、24時間培養した後、細胞の生存率を測定した。結果は、RSL3によるフェロトーシスは放射線照射群で強く誘導されることが分かった。これらのことから、フェロトーシス誘導治療を加えることにより放射線の持つ抗腫瘍効果が増強される可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
放射線耐性株・CRT耐性株の作製に難渋している。CRT後だと細胞の増殖までに非常に時間がかかり、実験に適した細胞の条件設定に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
CRT耐性株の作製には時間を要するため、放射線後の大腸癌細胞株でフェロトーシスのデータを、確認するのが最優先と考えている。その上で、確立した実験系で①CRISPRのスクリーニング、②RNA-Seqを施行してみることを検討中である。RNA-Seqでは酸化ストレスやDNA障害、ミトコンドリア障害などの遺伝子発現上昇がみられると思われる。最終的に注目した分子の発現を臨床サンプルをもちいて免疫染色などで確認していく。また海外で作成されたCRT耐性細胞株を購入することも検討している。
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