研究課題/領域番号 |
22K07263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
新美 敦子 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (50508984)
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研究分担者 |
俊幸 (竹内 俊幸) 藤田医科大学, 医学部, 助教 (20538483)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | POLD4 / 複製ストレス / ゲノム不安定化 |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌は年間死亡者数が癌腫中で第一位であり、発癌過程の解明、予防、治療法の開発が強く望まれている。これまでに申請者らは臨床検体と培養細胞双方から肺癌の組織型特徴的な遺伝子発現プロファイルに注目し、新規発癌メカニズムの提唱や分子標的候補の提案を行ってきた。この過程で従来DNA複製因子として報告されていたPOLD4がFork Reversal開始機能を持つ可能性を明らかにした。本研究では新規Fork Reversal開始因子POLD4の分子機構を明らかにし、この経路を標的とした新たな肺癌治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
肺がんは年間死亡者数ががん腫中で第一位であり、発がん過程の解明、予防、治療法の開発が強く望まれている。これまでに申請者らは臨床検体と培養細胞双方から肺がんの組織型特徴的な遺伝子発現プロファイルに注目し、新規発癌メカニズムの提唱や分子標的候補の提案を行ってきた。この過程で、従来DNA複製因子として報告されていたDNAポリメラーゼδ複合体の最小サブユニットPOLD4が、DNA複製ストレス応答においてFork Reversal経路の開始機能に関与している可能性を明らかにした。本研究では、新規Fork Reversal関連因子としてのPOLD4のがん病理における分子機構を明らかにし、この経路を標的とした新たな肺がん治療法の開発を目指す。 本年度は、細胞生物学的な実験として前年に引き続き主にDNAファイバー法を用いた解析を行った。DNA複製ストレス応答機構にはFork Reversal以外にも複数の経路が報告されているが、それぞれの経路の代表的な因子をノックダウンしたうえでPOLD4発現量依存的に複製フォーク進行がどのように変化するかを解析した。また、複製フォークの動的解析を行う目的で、POLD4ノックダウンA549細胞を用いてisolate proteins on nascent DNA (iPOND)法を試み、POLD4依存的にDNA複製機構複合体に含まれる因子の探索を行った。CDXマウスモデルを用いた解析については、A549 POLD4 WT/KO細胞を用いて形成した腫瘍に対し、各種候補薬剤を用いて至適濃度や投与方法などについての条件検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
がん病理におけるPOLD4の分子機構解析について、細胞生物学的アプローチとして継続しているDNAファイバー法や新たに開始したiPOND法などを用いた解析は概ね順調に進展している。一方で、マウスモデル解析については、候補薬剤の選択や至適条件の検討等に当初予定していた期間よりも時間を要している。以上より、現在までの進捗状況は全体としては(3)やや遅れている、と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
細胞生物学的実験については、引き続きPOLD4とDNA複製ストレス応答因子のノックダウンを組み合わせた系によるDNAファイバー法を継続し、POLD4の複製ストレス応答における役割の分子機構解明を続ける。得られた情報を基にモデルを構築し、iPOND法を用いて検証する。また、同定したPOLD4機能的相互作用因子とPOLD4の肺がん組織における相関などをTCGAを用いて解析する。
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