研究課題/領域番号 |
22K07264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
川上 尚人 近畿大学, 医学部, 講師 (10580615)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 人工知能 / MSI-H / 胃癌 / バイオマーカー / アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、CT画像、HE病理組織および臨床情報からMSI-H胃癌を同定するアルゴリズムをAIを用いて構築するパートと構築したアルゴリズムの精度を評価するパートの2つより構成される。アルゴリズムの構築では、すでにMSI statusが判明しているdiscovery cohortのCT画像、HE標本、MSI status、臨床情報(診断時年齢、性別)をinputとし、MSI-HであるかMSSであるかの二値分類を行うモデルを学習する。アルゴリズムの評価は、アルゴリズム作成に用いた患者集団と背景を同じくする別コホート(validation cohort)のデータをin-putとして行う。
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研究実績の概要 |
MSI-H vs. MSS stage II胃癌検体を用いた解析 本研究では、すでにMSI statusが判明しているstage II 胃癌症例におけるCT画像、HE標本、臨床情報(診断時年齢、性別)をinputとし、MSI-HであるかMSSであるかの二値分類を行うモデルを学習する。それぞれのinputを学習する機械学習モデルとして、CT画像においては3次元畳み込みニューラルネットワーク(3D CNN Network)を用いる。HE標本画像は2次元画像のため、2D CNN Networkを用いるが、スライド全体は巨大な画像となるため、複数の部分パッチ画像を入力とする Multiple Instance Learningを用いて、部分パッチ画像群を入力とした2D CNN Networkを学習する。 MSI statusが判明している胃癌184例の手術症例の「診断時のCT画像(胸腹部)」、「MSI statusが判断された病理検体のHE標本(データ化)」、「MSI statusに付属する臨床情報」はすでに協力機関に送られ現在アルゴリズム構築中である。当初より解析開始が遅れたが、令和6年6-8月の完成を見込んでいる。 本解析で得られたアルゴリズムの精度を確認するために、MSI statusが判明している胃癌検体を用いたvalidation studyを予定している。JCOGで行われた高齢者胃癌を対象としたS-1 vs. Surgery(BIRDIE)試験の付随研究としてMSI statusを見ることが予定されており、上記アルゴリズムが完成後、この試験データをvaliation cohortとする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ読込およびアルゴリズム構築作業の外注先との契約に時間を要したため
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今後の研究の推進方策 |
「MSI status が判断された病理検体のHE標本」をinputとしてアルゴリズムを構築する。 本解析で得られたアルゴリズムの精度を確認するために、MSI statusが判明している胃癌検体を用いたvalidation studyを予定している。JCOGで行われた高齢者胃癌を対象としたS-1 vs. Surgery(BIRDIE)試験の付随研究としてMSI statusを見ることが予定されており、上記アルゴリズムが完成後、この試験データをvaliation cohortとする予定である。これによりMSI-H胃がんに対するS-1 adjuvantの要不要が判明するほか、積極的にMSI検査をすべき対象が明らかとなる。また現在胃癌周術期治療として免疫チェックポイント阻害剤導入が検討されているが、その有力な候補としてMSI-Hが考えられており、このアルゴリズム導入によりそうした症例を効率よく見出すことが可能となる。
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