研究課題/領域番号 |
22K07266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所) |
研究代表者 |
山本 剛 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 副部長 (80384189)
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研究分担者 |
赤木 究 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 科長(兼)診療部長 (30244114)
井内 勝哉 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 技師 (40553847)
高橋 朱実 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 研究員 (40743620)
角田 美穂 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 研究員 (60347359)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | リンチ症候群 / Lynch-like syndrome / 遺伝学的検査 / ミスマッチ修復遺伝子 / バリアント / 遺伝性腫瘍症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、分子遺伝学的検査や臨床所見から明らかにリンチ症候群(遺伝性腫瘍症候群)が疑われる症例に対して、検出困難なバリアント、報告例の少ない遺伝子のバリアントの検出を試みる。検出されたバリアントに対しては、必要であれば機能的な解析を行い、疾患への影響を評価する。本研究成果は、これまで遺伝性かどうか確定診断されていなかった患者及びその血縁者に対して、適切なサーベイランスの提供につながる。またそのデータを広く公開することによって、遺伝診療に役立てる。
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研究実績の概要 |
本年度は、腫瘍を入手可能な院内の症例について、腫瘍におけるMMR遺伝子のバリアントを解析した。その結果、Somaticにデータベースからも明らかな病的変異が存在し、さらに腫瘍含有率や周辺のCommon variantsのバリアントアレル頻度(VAF)からヘテロ接合性の消失(LOH)が起こっていると考えられる症例もあったが、腫瘍において病的意義不明(VUS)の変異が2hitで見られる症例等研究計画立案段階では少数と思われた症例がいくつか見つかった。当初予定されていたVUSを評価するプロジェクトに対する予算が付かなかったこともあり、我々はVUSの機能解析の重要性を考え、HAP1細胞にVUSのバリアントを導入し、6TG添加による細胞生存を解析する実験系を並行して立ち上げることとした。 また、腫瘍を入手できない院外の症例については、まず免疫染色においてMLH1の欠失が見られる15症例ほどでMLH1プロモーター領域のメチル化解析を行った結果、2例でGermlineのメチル化を認めた。 さらに免疫染色においてMSH2の欠失が見られる症例で、40歳以下で腫瘍を発症している症例に対して、EPCAM遺伝子エクソン9から、MSH2遺伝医の下流までの領域を約15kbpの7領域に分けてそれぞれLong PCRを行うプライマーを設計し、解析を行った。Inversion等の変化は検出されなかったが、3症例においてレアなバリアントをイントロンに検出した。イントロンのバリアントはスプライシング以外にも転写への影響が報告されているため、今後解析対象とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機能解析が新たに計画に加わったが、MSH2遺伝子の全領域を解析するプライマーの設計、候補症例の解析等、順調に進んでいる。未だ確定的なバリアントは、MLH1プロモーター領域のGermline methylationのみであるが、比較的報告症例数の少ないGermline methylationが見つかったことは大きな成果と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の解析結果から、腫瘍シーケンスにおいてもかなりの種類のVUSが検出されることが明らかとなった。HAP1細胞を用いた解析の対象となるバリアントをミスセンスのVUSまで広げて研究を計画することとした。その他の研究計画に変更はない。 次年度は、本年度の研究に加えて、家系図や臨床所見から見ても強くリンチ症候群を疑う症例について、エクソーム解析を行っていく。
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