研究課題/領域番号 |
22K07272
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構(臨床医学研究所 臨床医学研究開発部) (2023) 筑波大学 (2022) |
研究代表者 |
森脇 俊和 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構(臨床医学研究所 臨床医学研究開発部), クリニカルサイエンスリサーチグループ, 研究員 (60455938)
|
研究分担者 |
土屋 輝一郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40376786)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | マルチ作用点薬剤 / 腫瘍抑制作用機序 / レゴラフェニブ / 炎症発癌モデル |
研究開始時の研究の概要 |
抗腫瘍薬であるレゴラフェニブは腫瘍の増殖、転移、血管新生、腫瘍免疫に関与する因子を標的とする経口マルチキナーゼ阻害剤です。しかしながら、マルチキナーゼ阻害剤は作用点が多い利点がある反面、効果や予後と直結する作用点が不明です。そこで本研究では、腫瘍増殖抑制、転移能抑制の作用点に限定し、その効果、予後に関与する機序、特異的因子を明らかにすることを目的としています。様々なたがんモデルを用いて特異的な候補因子を選定し、最終的には効果・予後と関連するバイオマーカー を同定します。この成果はがん治療の効果的な治療戦略に寄与することが期待できます。
|
研究実績の概要 |
抗腫瘍薬であるレゴラフェニブは腫瘍の増殖、転移、血管新生、腫瘍免疫に関与する因子を標的とする経口マルチキナーゼ阻害剤です。しかしながら、マルチキナーゼ阻害剤は作用点が多い利点がある反面、効果や予後と直結する作用点が不明です。そこで本研究では、腫瘍増殖抑制、転移能抑制の作用点に限定し、その効果、予後に関与する機序、特異的因子を明らかにすることを目的としています。様々ながんモデルを用いて特異的な候補因子を選定し、最終的には効果・予後と関連するバイオマーカーを同定します。この成果はがん治療の効果的な治療戦略に寄与することが期待できます。 本研究は、1)炎症発癌モデルにおけるレゴラフェニブ効果解析、2)ヒト大腸オルガノイドがんモデルおける効果解析、3)大腸がん患者由来オルガノイドにおける効果機序解析を軸として、大腸がんにおけるレゴラフェニブ効果特異的因子、耐性特異的因子を同定し、臨床バイオマーカーとしての有用性を検証する計画です。昨年度は発癌モデルにおけるレゴラフェニブ効果解析として様々ながんモデルのタイプにてレゴラフェニブの効果を評価しています。今年度は炎症性腸疾患に付随する大腸がんモデルを構築しました。腫瘍モデルにおける評価として、MTSアッセイによる細胞増殖、コロニーフォーミングアッセイによる幹細胞能、二次元培養による遊走能、網羅的発現遺伝子解析によるがん形質(増殖、シグナル関連、Lgr5などのがん幹細胞因子、ZEB1等の転移関連因子など)を行いました。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は腫瘍モデルの作成まで行い、レゴラフェニブの抗腫瘍効果判定まで行えなかった。 腫瘍モデルを作成したため、来年度に抗腫瘍効果の評価を行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、レゴラフェニブの効果差異に関する候補因子を抽出する。 具体的にはレゴラフェニブ投与前後のシグナル及び網羅的発現遺伝子解析にてレゴラフェニブに対して効果を示すオルガノイドのみ変化する因子を抽出する。さらにレゴラフェニブ効果オルガノイドと耐性オルガノイドができた場合には、それらの差異解析を行い、耐性特異的因子の候補群を抽出する。さらに、それぞれ抽出した候補因子の中で全てに共通する因子群をさらに抽出する。それらの遺伝子について各オルガノイドに強制発現もしくはCRISPR/CAS9にて欠失させる。候補遺伝子の発現動揺によりレゴラフェニブ効果特異的因子として同定する。また、レゴラフェニブ耐性候補因子も抽出し、全てに共通する因子を特定する。これら候補因子の発現をレゴラフェニブ有効オルガノイドに動揺させ耐性能を獲得するか検証する。耐性能を獲得した因子をレゴラフェニブ耐性特異的因子として同定する。最終的には、レゴラフェニブ効果特異的因子、耐性特異的因子について臨床バイオマーカーとして有用か検証する。これまで当院にてレゴラフェニブにて治療された患者を有効群と無効群に層別化する。大腸検体を用いて特異的因子の発現を免疫染色にて評価する。同時に有効群、無効群の腫瘍への効果及び副作用出現について調査を行い、予後の評価を行う。特異的因子の発現が患者予後と関連する因子をバイオマーカーとし、今後の大規模研究への基盤とする予定である。
|