研究課題/領域番号 |
22K07275
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大坪 公士郎 金沢大学, 附属病院, 講師 (60361987)
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研究分担者 |
三宅 邦夫 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60550712)
山下 要 金沢大学, 附属病院, 助教 (80456425)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 膵癌 / 膵液 / 早期診断 / miRNA / メチル化 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は最も予後不良な難治性がんであり、要因として早期診断が極めて困難であることが挙げられる。膵液中に膵癌マーカーを同定できれば、有効な早期診断法になると期待される。悪性腫瘍の診断法として腫瘍特異的miRNAの有用性が報告されているが、その異常のメカニズムであるメチル化などのエピゲノムの検討は早期診断法のみならず、新規治療法の開発にも発展する可能性を秘めている。 本研究では膵癌高危険群でみられる画像所見を呈する症例の膵液を用いて、miRNA発現とその基盤となるエピゲノムの異常を明らかにし、早期膵癌で発現している分子マーカーを同定し、膵癌に対する革新的早期診断法を確立するための基礎基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
膵癌は5年生存率が10%未満と報告され、最も予後不良な難治性がんであり、その要因として早期診断が極めて困難であることが挙げられる。 現在までの我々の検討では、良性膵胆道病変と比較して、胆汁では膵癌、胆道癌においてmiR-200a, 200b, 1247のメチル化が、血漿では胆道癌においてmiR-1247のメチル化が有意に増加しているとの知見を得ている。今回膵癌の早期診断を目的として、各種膵疾患における膵液を用いたmiRNAのメチル化異常につき検討を行った。 膵癌10例:Stage 0 6例、IA 1例、IIA 1例、IIB 2例 (UICC 8th))、PanIN (low grade) 2例、IPMN (low~intermediate grade) 4例、良性膵病変25例、計41例から内視鏡的経鼻膵管ドレナージ (ENPD) にて膵液を採取した。胆汁での検討にて良性膵胆道病変と比較して、膵癌、胆道癌にて有意にメチル化の増加を認めたmiRNA (miR-200a, 200b, 1247) につき、メチル化の定量的解析を行った。 miR-1247においては8か所のCpGサイトを設定したが、そのうちの1か所のCpGサイトにおいて、良性膵病変と比較して膵癌にてメチル化の増加傾向がみられた。また、別の1か所のCpGサイトにおいては、PanIN/IPMNにて有意にメチル化の増加とともに膵癌にて増加傾向を認めた。なお、miR-200a, 200bについては、良悪性間でメチル化に有意差を認めたCpGサイトはみられなかった。 現時点では少数例での検討ではあるが、画像や病理検査のみでは良悪性の鑑別が困難な膵疾患において、miRNAのメチル化異常は有用な補助診断になる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当院、他院からの膵液の収集及びmiRNAの解析に関しては、概ね順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
今後さらに症例数を増やして膵液におけるmiRNAのメチル化の解析を行う予定である。 さらに、miRNAのメチル化を検討した症例において、膵癌において高頻度に遺伝子異常が認められる4遺伝子 (KRAS, TP53, CDKN2A, SMAD4) の異常についても解析し、両者を比較検討することにより、膵癌早期診断能の更なる向上が可能かについても検討を行う。
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