研究課題/領域番号 |
22K07280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
杉原 誉明 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (60753853)
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研究分担者 |
永原 天和 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (00548860)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | YAP / 胆管癌 / 分子標的治療薬 / TAZ / Hippo経路 |
研究開始時の研究の概要 |
予後不良の難治がんである進行胆道(胆管・胆のう)がんに対する標準化学治療は限られており,効果的な治療法の確立が急務である.これまでの抗がん剤と異なる作用メカニズムによる分子標的治療薬の開発が望まれている.そこで,今回の研究では蛋白質「YAP」をターゲットとして注目した.「YAP」は,臓器のサイズを決める経路を調節している蛋白質として知られており,多くの癌で発現が過剰になっている事も知られている.しかし,「YAP」を阻害すると、遺伝的に近縁の蛋白質である「TAZ」がその役割を補う可能性が報告されている.そこで,今回の研究ではYAPとTAZを両方同時に抑制する新しい治療薬を開発する事を目的とした,
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研究実績の概要 |
予後不良の難治がんである進行胆道(胆管・胆のう)がんに対する標準化学治療は限られており,効果的な治療法の確立が急務である。今回、進行胆道(胆管・胆のう)がんに対する新規分子標的治療薬の創薬を目的としている。ターゲットは、がん増殖促進因子である転写調節因子Yes-associated protein(YAP)かつ,YAPのパラログ(重複遺伝子)であるTAZ (Transcriptional coactivator with PDZ-binding motif)である。YAPは,臓器のサイズを決める経路を調節している蛋白質として知られており,多くの癌で発現が過剰になっている事も知られている.これまでYAP阻害剤の開発は行われてきたが、未だ各種癌で有効性の確認された薬剤は無い。YAPを阻害すると、遺伝的に近縁の蛋白質であるTAZがその役割を補う可能性が報告されている.そこで,今回の研究ではYAPのみならず、TAZを両方同時に抑制する新しい治療薬を開発する事を目的とした。①胆道がん細胞株を用いたYAP・TAZ発現抑制効果の検証:胆管がん細胞株(HuCCT-1)を用いて, siRNA を用いてYAP, TAZ単独抑制作用と同時阻害作用における増殖抑制効果を検証し、同時阻害で最も増殖抑制効果が発揮されることを確認した。②化合物スクリーニングアッセイ系の構築:創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)事業により提供を受けていたFDA化合物ライブラリーを使用してスクリーニングを実施するためのアッセイ系(eGFP蛍光YAP遺伝子導入細胞株の樹立)を構築した。それにより、1,134化合物をスクリーニングを実施し、YAP 発現抑制が認められた候補化合物を3種類抽出した。③胆管がん細胞株(HuCCT-1)を用いて,抽出したYAP 発現抑制化合物のYAP/TAZ 抑制効果をRT-PCR, ウエスタンブロットを用いて評価し,YAP/TAZ 同時発現抑制効果のある化合物を絞り込み、増殖抑制効果を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どうり、化合物スクリーニングを実施し、令和5年度の目標である、候補化合物の抽出・評価まで進んでおり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の予定としては、スクリーニングしたYAP発現抑制化合物を用いたYAP/TAZ阻害効果の検証と創薬であるが、候補化合物の構造展開を予定している。更に追加して、化合物スクリーニングの実施も予定している。
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