研究課題/領域番号 |
22K07297
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
河合 信行 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20724561)
|
研究分担者 |
兵藤 文紀 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10380693)
野田 佳史 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (60643020)
加賀 徹郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20897334)
加藤 博基 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70377670)
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 慢性肝炎 / 非アルコール性脂肪肝炎 / 超偏極MRI |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪肝から非アルコール性脂肪肝炎(NASH)への進展は酸化ストレスが主因の1つと考えられており、生体内代謝を可視化する超偏極技術(DNP-MRI)が応用可能な領域である。本研究では、DNP-MRIを用いてNASH病態の肝ミトコンドリア代謝をはじめとした生体内代謝を可視化することで、線維化前診断法を確立することを目的とする。Carbamoyl PROXYL (CmP) など複数のプローブを使い分けた同一NASH病態モデルの検討によりNASH病態ひいては慢性肝障害の線維化に至る代謝機序を解明する。さらには、臨床に展開可能な大動物を用いた有用性検証、毒性・動態検討を行う。
|
研究実績の概要 |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、非侵襲的及び確実性のある確定診断法は存在しないため、新たな診断法が望まれている。脂肪肝からNASHへの進展は酸化ストレスが主因の1つと考えられており、生体内代謝を可視化する超偏極技術(DNP-MRI)が応用可能な領域である。本研究では、DNP-MRIを用いた生体内代謝イメージング法において、NASH病態の肝ミトコンドリア代謝をはじめとする生体内代謝を可視化することで、線維化前診断法を確立することを目的とする。昨年度は、Carbamoyl PROXYL (CmP)のミトコンドリア電子伝達系における代謝反応の媒介を明らかにし、NASHモデルマウスでの基礎検討を実施した。 本年度は、NASHモデルブタの構築の検討のため、ブタ用のコリン・メチオニン欠乏(MCD)食を作成し、動物病院に設置されている画像診断機器(US 、CT、MRI)および肝生検を経時的に実施し、得られる肝組織を電子スピン共鳴装置(ESR)にて解析することでCmPの有用性検証を行うこととした。MCD食の開始後2週毎に、US 、CT、MRIによる脂肪肝の画像診断と血液検査、USガイド下生検により経時的に肝組織切片を採取し、従来法による病態進行評価とESRによるミトコンドリア代謝反応を比較検討した。画像診断においては、MCD食による脂肪肝の進行を認めなかった。また血液検査においても、コントロール群に比べ有意な炎症反応は認めなかった。肝組織切片を用いた病理検査では、脂肪滴の蓄積と線維化は認められたがいずれも軽微であり、NASHモデルマウス(MCD)と比較しても軽度であった。一方、肝組織切片を用いた酸化還元代謝解析では、MCD処置群において有意な代謝減少を認めた。以上より、NASHモデルブタ(MCD)においてもCmPを用いた早期診断の可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に基づき研究を推進しており、当該年度の目標とする結果が得られたため。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続きNASHモデルブタ(MCD)における解析を進めるとともに、NASHモデルマウスを用いたCmPの代謝機構の解明を進める。
|