研究課題/領域番号 |
22K07301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋本 陽子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (00894247)
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研究分担者 |
増永 奈苗 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60961620)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ESR1 mutation / primary breast cancer / 乳癌 / ESR1 / 変異解析 / 再発リスク |
研究開始時の研究の概要 |
乳癌の約70%はエストロゲン受容体(ER) 陽性であり、内分泌療法の適応となるが、多くは治療中に耐性を生じる。その耐性機序の一つとして、ERをコードするESR1 遺伝子の変異が報告された。この変異は種々の内分泌療法に抵抗性を示し、全生存期間に影響を与えるため、変異を生じないような治療戦略が求められるが、原発巣におけるESR1変異は非常に稀であり、変異がいつどのように生じるか明らかにされていない。 そこで、PCR clamping法を活用した高感度な手法 を用いて、従来見逃されていた可能性のある乳癌原発巣中の微量なESR1変異の検出を試み、 再発後のESR1変異との関連を調査する。
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研究実績の概要 |
乳癌原発巣でのESR1変異を高感度に検出する変異解析手法を確立した。具体的には、変異を有する遺伝子のみを選択的に増幅させるPCR clampingを応用し、ESR1 wild-type DNAをclampする人工核酸(LNA oligo)を設計し、変異の濃縮効果や解析結果への影響を確認した。変異検出のターゲットは、ESR1変異の上位2変異であるY537S (1610A>C)およびD538G(1613A>G)とし、そのそれぞれの変異部位に対して独自のLNA-oligoを設計した。設計したLNA-oligoでのclamp効果を検証した結果、約6,000万コピーもの大量のwild-type DNAをクランプできることが実証された。また、wild-typeとmutant-typeを混ぜてPCRを行い、wild- typeを完全にブロックし、混在する変異オリゴには影響を与えないPCR条件を検討した。このLNA oligoを用いてESR1変異検出の感度検定を行い、0.003%程度の微小変異まで検出できることを確認した。さらに、原発巣に含まれる微小変異をより高確率に捉えるために、DNAではなくmRNA(cDNA)を解析対象とすることとした。予備実験として、乳癌細胞株10種にてDNAとmRNAのESR1発現割合を比較し、ER陽性細胞株ではmRNAの方が約3.42倍(1.02-8.92)発現が多い事も実証された。この手法を用いて、pilot studyを行った。乳癌原発巣から採取した新鮮凍結組織(FF)30例よりmRNA(cDNA)を抽出し、PCR clampingを用いたddPCRでESR1変異(Y537S, D538G)について解析を行った。実際のサンプルでも問題なく解析ができることが判明した。今後、この手法を用いて、約200例のサンプルに関して変異解析を行い、乳癌原発巣中のESR1微小変異について調べる予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究の進捗により、解析手法が概ね確立した。今後は、この手法で実際のサンプル解析を進める事としている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、確立した解析手法を用いて、実際のサンプルの解析を進める事としている。
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