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抗寄生虫薬Ivermectinによるがん幹細胞を標的とした腫瘍抑制機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K07311
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
研究機関日本医科大学

研究代表者

上原 郁野  日本医科大学, 先端医学研究所, 助教 (50434139)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2022年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードIvermectin / Cancer stem cell / sphere / cancer stem cell
研究開始時の研究の概要

癌治療において、転移・再発の原因となる癌幹細胞を排除することは、癌を根治するのに非常に重要である。しかし、一般的な化学療法及び放射線治療だけでは癌幹細胞を排除しきれないため、癌幹細胞を消滅させ転移・再発を防ぐ治療法を確立することが求められている。
我々は、抗寄生虫薬Ivermectinが、癌幹細胞の指標であるsphereの形成を抑制し、さらに細胞毒性が癌細胞自体よりもsphereに対して強いことを見出した。そこで本研究では、Ivermectinの癌幹細胞に対する詳しい作用機序を明らかにし、Ivermectin投与により癌幹細胞を消滅させる治療法を確立できるよう研究を進めていきたいと考えている。

研究実績の概要

Ivermectin(Iver)が、がん幹細胞の指標となるsphereの形成を阻害することを見出したが、そのメカニズムを調べるのに、まず接着細胞とsphereへの感受性の違いを調べた。接着細胞は高濃度でIverを作用させると、sphereと同様に活性形Stat3やSox2の発現減少が確認され生存率も減少したが、sphere形成が抑制される濃度では、生存率や活性形Stat3の発現低下は観察されなかった。よって、Iverはsphereに高感度で作用しており、がん幹細胞を標的とする薬剤となる可能性が示された。
次に、Iverのsphereへの作用機序を調べた。Iverはsphereの形成に必要なことが知られているo-GlcNAC修飾の阻害やo-GlcNAc転移酵素(OGT)の発現を低下させていたので、o-GlcNAcase阻害剤であるPUGNAcとIverを同時に刺激すると、oGlcNAc修飾は維持されたが、Sox2や活性形Stat3の発現減少は抑えることができなかった。しかし、アポトーシス阻害剤であるQVD-OPhとIverの同時投与で、Sox2の発現減少が抑制されることがわかり、Iverによる細胞死誘導が起きていることが示唆された。
がんの再発抑制に対するIverの効果を調べるために、ヌードマウスにGefitinib感受性の肺がん細胞HCC827細胞を移植し、腫瘍を形成させた後、Gefitinibのみを投与し続けた群とGefitinibである程度腫瘍の縮小がみられた後に週に2回GefitinibとIverを投与した群とで腫瘍の再発をI V I Sで測定して比較した。その結果、Gefitinibのみを投与した群では、かなりの頻度で再発が確認されたが、Iverを併用した群では、腫瘍の再発が抑制されることを見出した。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2023-12-25  

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