研究課題/領域番号 |
22K07336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
大西 克典 久留米大学, 医学部, 助教 (10626865)
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研究分担者 |
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 准教授 (10279135)
西 昭徳 久留米大学, 医学部, 教授 (50228144)
大西 陽子 久留米大学, 医学部, 助教 (70727586)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 行動実験 / メスマウス / ドーパミン / 側坐核 / マウス / 恋愛行動 / c-Fos / AAV |
研究開始時の研究の概要 |
異性を好きになるというのは、ほとんどの人が10代のころから経験することです。病気になるかどうかは人それぞれであり、病気の種類によって、その確率は様々ですが、異性を好きになる経験を持たない人はほとんどいないでしょう。にもかかわらず、その神経科学的なメカニズムはほとんどわかっていません。また、多くの人が経験するという理由で昔から、性行動におけるオスとメスの脳の中での神経活動はあらゆる手段で調べられています。しかし、その性行動に至る前の恋愛感情がどこから生れるのか、どのような神経部位が活性化されて、行動につながるのかはほとんどわかっていません。その神経メカニズムを明らかにしていく予定です。
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研究実績の概要 |
我々は性行動の前の恋愛行動が研究できないかと考え、物理的接触はできないが、相手を選ぶ行動はできるマウスモデルの作製を試みました。古典的にマウスを使った行動実験における嗜好性を調べる実験では、たとえば、オスマウスがいる部屋とメスマウスがいる部屋をつなげて、どちらの部屋の滞在時間が長いかで比べたり、同様に二つの特徴の違うつながった箱を用意して、片方に生食を打っていれ、4時間後に反対側の部屋にコカインを打って入れて、2-3日トレーニングした後に再度どちらの部屋を好むかといった刺激と環境を結び付けた状態での嗜好実験がされてきました。 そこで我々は好みの相手を選ぶような行動を示すのかどうかをオスマウス、メスマウスで調べてみました。すると、オスマウスでは特に特定のメスマウスが好まれるということはなく、これはメスマウスの性周期が違うもので試してもやはり同じでした。メスマウスは通常発情期しかオスを受け入れないことが分かっており、その意味でオスマウスは発情期のメスマウスを好むことが予想されましたが、物理的接触ができない状態だと発情期のメスを選ぶことができないことが分かりました。また、この結果から、オスマウスはメスマウスなら誰でもよいという嗜好性を示すことが示唆されました。 一方、メスマウスは特定のオスマウスを好む行動を取ることがあることがわかりました。場合によっては、5匹のメスマウスで有意差がつくことがあり、確度がかなり高い行動であることがわかりました。しかしながら、この実験は次の日、そのまた、次の日と繰り返しても再現されないことが分かりました。このことから、一晩寝かすと、オスマウスとは性行動や物理的接触ができないことを学習して、選別行動を取らないことが推測されました。今後はこの行動が何を基準に行われているかを様々な条件で検討していく予定です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メスマウス、およびオスマウスは異性に出会うと側坐核のドーパミンが上がることが知られています。通常、マウスは初めて出会ったとき、陰部の匂いを互いに臭いあって、オスかメスかを判断するのですが、我々は物理的接触をさせないようにしているので、基本的に見た目やフェロモン、尿の匂いで判断するしかありません。そのような条件下においても、異性に出会うだけで側坐核のドーパミンが上昇することを見出しました。このドーパミンの上昇が変わる条件があるのかを現在、検討中です。 また、メスマウスのオスマウスへの嗜好性が、マウスの遺伝的背景で変わるのか、また、一緒に暮らしていたパートナーや、自分の子供の父親に対する嗜好性が上がるのかも検討しています。その他にも、人気のないオスマウスに男性ホルモンを投与することで人気が上がるのかといった点でも解析し、良好な結果を得ています。
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今後の研究の推進方策 |
意外なことにオスマウスもメスマウスも人に似た異性に対する嗜好性行動を取ることがわかったので、今後はよりヒトの行動に寄せた実験モデルを構築し、そこにおけるマウスの行動や脳内神経活動を調べていく予定である。
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