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新規オートファジーによるタウオパチー制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K07345
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分51030:病態神経科学関連
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

本田 真也  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 講師 (90532672)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワードオートファジー / 神経変性疾患
研究開始時の研究の概要

タウオパチーは、タウによる凝集体形成を伴って発症する神経変性疾患である。申請者はこれまでに、新規オートファジー機能が低下したマウスにおいて、タウタンパク質の蓄積と神経変性疾患の発症を見出した。また、新規オートファジーの活性化によって、病的なタウの蓄積を抑制できることを見出した。即ち、新規オートファジーが、タウオパチーの発症や進行に関与しているものと考えられた。そこで、本研究では、①新規オートファジーが、変異型タウタンパク質の分解を行うメカニズム、②新規オートファジーが、タウオパチーの発症、進行に与える影響、③新規オートファジー活性化によるタウオパチー治療の可能性を検討する。

研究実績の概要

タウオパチーは、タウによる不溶性の凝集体形成を伴って発症する神経変性疾患である。本疾患の発症には、様々な細胞機能の変調が関わっているが、申請者はこれまでに、新規オートファジー(申請者のグループが発見した、従来型とは異なるオートファジー)機能が低下したマウスにおいて、タウタンパク質の蓄積と神経変性疾患の発症を見出した。また、培養細胞を用いた実験から、申請者らの同定した新規オートファジー誘導化合物 (TMD-X01) の添加によって、病的なタウの蓄積を抑制できることを見出した。即ち、新規オートファジーが、タウオパチーの発症や進行に関与しているものと考えられた。そこで、本研究では、新規オートファジーが変異型タウタンパク質の分解を行うメカニズム、新規オートファジーがタウオパチーの発症・進行に与える影響、および新規オートファジー活性化によるタウオパチー治療の可能性を検討する。
本年度は、昨年度同定したTMD-X01の結合候補分子の解析、及びタウオパチー患者iPS由来神経細胞に対するTMD-X01の影響を解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請者らはこれまでに、新規オートファジーがタウオパチーの発症や進行に関与しているというデータを得ている。その詳細なメカニズムの解明、及び新規オートファジー誘導による治療の可能性の検討のため、細胞及びモデルマウスを用い解析を行っている。昨年度はTMD-X01のマウスへの投与によりタウの蓄積を抑えられること、その結合候補分子として2種類の分子の同定を行った。
本年度は、昨年度明らかにした結合候補分子の解析と、タウオパチー患者iPS細胞由来ヒト神経細胞へのTMD-X01の添加による影響を解析した。昨年度同定した結合候補分子2つのうち1つはノックダウンにより細胞が死んでしまったため解析できなかったが、もう一方はノックダウンによりTMD-X01添加による変異型タウ分解の抑制が認められた。このことから、TMD-X01のシグナルはこの分子を介していることが確認された。また、タウオパチー患者iPS由来神経細胞にTMD-X01を添加したところ、細胞体に蓄積していた変異型タウの減少が確認された。この結果から、TMD-X01はマウスだけでなくヒトにも効果があることが確認された。

今後の研究の推進方策

本年度の研究から、TMD-X01は同定した結合分子のうちの1つを介していることが明らかになった。今後はこの分子の過剰発現による変異型タウへの影響の解析、及びタウオパチーモデルマウスにおいてこの分子の発現変動がみられるのかについて解析を行う。また、タウオパチーモデルマウスへTMD-X01を投与することによるタウ蓄積の軽減が、認知機能などの脳の高次機能の改善に関わるかについて解析を行う。また、本年度の解析からTMD-X01はヒト細胞でも効果があることが確認された。今後はこの変異型タウの減少が、病態においてみられる蓄積したタウFibrilも分解できるのかを確認するために、ヒトタウFibrilを発現させたNeuro2A細胞を用い解析を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Subcellular localization and ER-mediated cytotoxic function of α1A and α1ACT in spinocerebellar ataxia type 62024

    • 著者名/発表者名
      Wang Di、Honda Shinya、Shin Min Kyoung、Watase Kei、Mizusawa Hidehiro、Ishikawa Kinya、Shimizu Shigeomi
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 695 ページ: 149481-149481

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2024.149481

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Alternative autophagy dampens UVB-induced NLRP3 inflammasome activation in human keratinocytes2024

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa Tatsuya、Noguchi Saori、Nakashima Masaya、Miyai Masashi、Goto Makiko、Matsumoto Yuko、Torii Satoru、Honda Shinya、Shimizu Shigeomi
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 300 号: 4 ページ: 107173-107173

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2024.107173

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] An Overview of Golgi Membrane-Associated Degradation (GOMED) and Its Detection Methods2023

    • 著者名/発表者名
      Sakurai Hajime Tajima、Arakawa Satoko、Yamaguchi Hirofumi、Torii Satoru、Honda Shinya、Shimizu Shigeomi
    • 雑誌名

      Cells

      巻: 12 号: 24 ページ: 2817-2817

    • DOI

      10.3390/cells12242817

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Absence of ULK1 decreases AMPK activity in the kidney, leading to chronic kidney disease progression2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoki Yanagi, Hiroaki Kikuchi, Koichiro Susa, Naohiro Takahashi, Naohiro Takahashi, Hiroki Bamba, Takefumi Suzuki, Yuta Nakano, Tamami Fujiki, Yutaro Mori, Fumiaki Ando, Shintaro Mandai, Takayasu Mori, Koh Takeuchi, Shinya Honda, Satoru Torii, Shigeomi Shimizu, Tatemitsu Rai, Shinichi Uchida, Eisei Sohara
    • 雑誌名

      Genes to Cells

      巻: 28 号: 1 ページ: 5-14

    • DOI

      10.1111/gtc.12989

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] GOMED関連分子の探索及び同定分子の解析2023

    • 著者名/発表者名
      本田 真也
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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