研究課題/領域番号 |
22K07351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡邉 充 九州大学, 大学病院, 助教 (30748009)
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研究分担者 |
松下 拓也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00533001)
吉良 潤一 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (40183305)
磯部 紀子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60452752)
Maimaitijiang Guzailiayi 国際医療福祉大学, トランスレーショナルニューロサイエンスセンター, 特任助教 (60887107)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 多発性硬化症 / 環境因子 / 遺伝的要因 / 視神経脊髄炎スペクトラム障害 / 免疫細胞 / バイオマーカー / 治療選択 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経系の炎症性疾患である多発性硬化症および視神経脊髄炎スペクトラム障害は、いずれも適切な治療を行わないと将来身体機能障害や認知機能障害を来たす疾患である。近年様々な薬剤が使用できるようになってきているが、患者ごとに経過や治療反応性が異なるとともに、最適な治療薬を選択する指標は存在しない。そこで本研究では、患者の遺伝学的・免疫学的背景、疾患の活動性のバイオマーカー指標を総合的に評価し、どの治療薬を選択することが最適かを患者ごとに判断できるようになることを目的とする。これにより患者の長期予後を改善させ、過度な治療による不要なリスクを避け、さらには医療経済への負担も軽減させることが期待される。
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研究実績の概要 |
多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)の環境要因として喫煙が知られており、我々は過去に喫煙歴のある者は障害度、重症度が高いことを示した。今回、疾患修飾薬で治療を受けているMS患者の疾患活動性が、喫煙の有無で影響を受けるかを評価した。疾患修飾薬のうち、フィンゴリモドおよびフマル酸ジメチルといった経口薬を使用しているMS患者では、喫煙者の方が非喫煙者より再発およびMRI活動性残存のリスクが高いことが明らかとなった。本内容は論文化を行った(Tanaka E, et al. Mult Scler Relat Disord 2023)。本結果から、MSの予後予測、治療効果予測を行う際には喫煙の有無を考慮すべきであることが明らかとなり、今後研究を進める際の参考になる。 MS患者のγδT細胞を含むT細胞、B細胞、単球、NK細胞分画の割合をフローサイトメトリー法を用いて評価している。現在、症例の蓄積を進めており、次年度患者背景や予後との関連などの解析を行う予定である。 さらにMS患者の認知機能とMRI上の脳萎縮や病巣容積との関連についてもデータを収集している。データ集積はある程度完了したため、日本人MSの遺伝的リスク因子とされているHLA-DRB1*15:01やDRB1*04:05の有無との関連について現在解析を進めている途中である。 また並行して、MS患者および視神経脊髄炎スペクトラム障害(neuromyelitis optica spectrum disorder: NMOSD)患者の血清・髄液を収集し、共同研究施設とともにバイオマーカー測定の準備を進めている。次年度測定を行うとともに、予後との関連解析等を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
想定より患者登録が遅れているため、進捗は全体として若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
MS患者の免疫細胞分画解析、および認知機能と脳萎縮の関連解析を進める予定である。またMS、NMOSD患者の血清、髄液中のバイオマーカー測定を共同研究施設と協力して行う予定である。
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