研究課題/領域番号 |
22K07355
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
宮元 伸和 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10365661)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 慢性虚血負荷 / 細胞間相互作用 / cell-cell interaction / ミトコンドリアダイナミクス / 脳血管性認知症 / サルコペニア / 脳白質病変 |
研究開始時の研究の概要 |
筋肉量減少により身体機能・予備能力が低下している病態であるサルコペニアが認知症のリスクであることからミトコンドリアを多く含む筋肉細胞に着目し、認知症の顕性化・進行との関連について解析する。予備実験から、組織の中で細胞間を移動するミトコンドリアそのものが脳白質病変の病態改善効果を誘導する知見を得ており、運動負荷モデル動物における予備的検討より、骨格筋由来ミトコンドリアが細胞外に放出され脳に移行することを見出している。そこで、本研究において、細胞間を移動するミトコンドリアによる組織保護作用に着眼した脳白質病変が関わる認知症の新規治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
筋肉内でラベルされた緑色のシグナルを持つミトコンドリアを脳、心臓、肺、脾臓、肝臓等、各種臓器でみとめた。移動手段を考察するため、全血を採取、遠心分離し評価したところ、赤血球、血清には認めず、buffy coat部(白血球、血小板の層)に緑のシグナルを確認した。次に全血にギムザ染色を行い、シグナルを確認したところ、緑のシグナルは血小板と共存していた。また、脳においては血管内皮、オリゴデンドロサイト前駆細胞、アストロサイトに認めた。このことから筋肉中で増加したミトコンドリアは血小板を介して各種臓器に移動していることが示唆された。 運動負荷による血小板中のミトコンドリア量の変化においては、筋肉内、血小板内のTOM20発現は運動負荷群で増加しており、ATP活性(ミトコンドリアの活性)も保たれていた。電子顕微鏡下においてもミトコンドリアは筋肉内、血小板内で増加している画像が得られた。 また、ミトコンドリアは病的条件下においては、活性酸素を発生する源ともなりうることがわかっている。そのため、疑似慢性虚血負荷における筋肉から抽出したミトコンドリアの細胞保護効果を検討した。疑似慢性虚血負荷(CoCl2添加)において、ミトコンドリア投与は、病的条件下においても、脳を構成する細胞の保護効果があることが示唆された。 動物レベルにおける運動負荷群の血小板による脳保護効果を確認するため、慢性脳虚血モデル、脳梗塞モデルに運動負荷群より作成した血小板を手術後3日目より週2回投与したところ白質保護効果を示した。血小板内ミトコンドリアをMitoBlight LT redにて染色し、血小板投与後24時間にて断頭し、IVIS(Vivo Imaging System) にて解析したところ、投与した血小板中のミトコンドリアは病変部位に到達していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在の状況はおおよそ実験計画通りに進行している。しかし、筋肉からどのような形で血小板にミトコンドリアが移動するのか、どのような機序で移動するのかという「機序の解明」には至っておらず詳細な評価が今後必要である。CD34 抗体による阻害実験も行っているが、短期的な効果しか得られず、結果は安定しなかった。siRNAを用いた方法においても効果が短期できてあり結果が安定しない状況にある。そのため、糖尿病モデルマウスや、ミトコンドリア異常が知られているパーキンソン病モデルマウスと、運動負荷後血小板ミトコンドリアの質の差を実証する。
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今後の研究の推進方策 |
さらには、運動負荷群血小板の白質保護効果を確認する。動物モデルの実験においては、血小板投与群で虚血性白質障害の進行抑制、Y-maze試験における認知機能の改善効果を実証する。また、細胞実験においてはアストロサイト、オリゴデンドロサイト系の疑似慢性虚血負荷にたいする細胞保護効果の実証していく。 糖尿病モデルマウスや、ミトコンドリア異常が知られているパーキンソン病モデルマウスと、運動負荷後血小板ミトコンドリア違いから「優良ミトコンドリア」につながるcomplex III/IV活性、cAMP活性、SOD2活性をELISA、western blottingや、メタボローム解析を行い差異を評価する。
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