研究課題/領域番号 |
22K07359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
熱田 直樹 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (90547457)
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研究分担者 |
中村 亮一 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80723030)
道勇 学 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90293703)
祖父江 元 愛知医科大学, 災害医療研究センター, 理事長 (20148315)
藤内 玄規 愛知医科大学, 加齢医科学研究所, 助教 (00748353)
陸 雄一 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 講師 (50748382)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 神経病理解析 / 疾患レジストリ |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の臨床像・ゲノム背景は多様であり、病態抑止治療開発のためには個別患者の多様な背景病態を臨床ゲノム情報から把握し,適切な個別介入に結び付ける必要がある。そのためにはALSの臨床ゲノム情報とそれぞれの患者の神経病理像を結び付ける情報の蓄積が必要であるが,これまで困難であった。本研究では前向き縦断的臨床情報とゲノム情報が蓄積されたALS大規模患者レジストリと神経病理拠点との連携拠点における解析を行い、ALS患者の臨床像,経過,ゲノム背景から神経病理の形態像,免疫組織化学的特徴,病態関連分子の分布を予測できるようにし適切な病態抑止治療を開発するための患者層別化につなげる。
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研究実績の概要 |
多施設共同ALS患者レジストリであるJaCALSでは、臨床情報は前向きに患者の死亡までフォローアップしている。登録時に患者血液検体からDNA抽出および不死化リンパ球の作製を行い併せて保存を行った。検体管理・利用体制の整備、データ管理、データクリーニングとクオリティコントロールを行った。登録患者のうち逝去され剖検が実施された例の一部について、愛知医科大学加齢医科学研究所の神経病理リソースに蓄積されており、これらとのデータ連結を進めた。SOD1遺伝子のGly94Ser変異を有するALS患者について、43例の臨床病理像を解析した。そのうち7例の剖検病理所見が得られ、misfolded SOD1の分布を含めて神経病理所見の分布を詳細に検討した。腰髄、胸髄に始まり、頚髄、脳幹から小脳、中心前回に進展する病変の様式を明らかにした。ALS患者1564例の全ゲノム解析データとコントロールデータセットとしてNCBNの全ゲノムデータを利活用して、ALSの発症、進行、予後に関わる構造多型およびレアバリアントの探索同定を進めており、現在extreme rare variant解析で有意水準に到達するALS関連遺伝子を8つ見出している。JaCALSに登録された1076例の孤発性ALS患者の、発症から永続的人工換気を要する状態あるいは死亡までの期間に関連するゲノム要因をSNPアレイデータを用いたゲノムワイド関連解析で探索し、生存期間関連遺伝子としてFGF1およびTHSD7A遺伝子を同定した。JaCALS に登録された1807例においてSNPアレイデータと発症年齢の関連解析を実施し、ゲノムワイド有意な関連を示すSNPを同定した。これらの遺伝子型と神経病理所見との関連を解析する基盤を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
JaCALSの研究計画書に本研究に登録された患者が逝去され病理解剖が実施された場合、当該患者の本研究における符号を用いて、病理解剖情報と本研究情報・試料との連結を行い、統合解析を行う旨の追記がなされ、倫理委員会で承認された。病理解剖情報と統合解析を行う臨床ゲノム情報解析も順調に進捗し、研究基盤が着実に構築され、進展している。
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今後の研究の推進方策 |
臨床ゲノムデータと病理学的データの連結をさらに進め、JaCALSの解析により得られた発症、病型、進行、予後に関連する臨床的因子、ゲノム背景、生化学的バイオマーカーと神経病理像との関連を明らかにする。
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