研究課題/領域番号 |
22K07365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
藤田 慶大 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 非常勤講師 (40792205)
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研究分担者 |
本間 秀典 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, プロジェクト准教授 (80553958)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | iPS細胞 / プルキンエ細胞 / 脊髄小脳失調症1型 / RNA-sequence / ネットワーク解析 / RNA-seq / 神経変性疾患 / 次世代シーケンス解析 / 動的分子ネットワーク解析 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性の神経変性疾患、脊髄小脳失調症1型(SCA1)において、胎児期からのYAP/YAPdeltaC機能不全が、小脳形成・発達関連遺伝子発現異常をもたらし、発症および予後を運命付けることを先行研究で明らかにしていた。しかし、小脳形成時期のどのフェーズで、どの細胞で、どのような分子メカニズムに因るかは不明である。そこで、正常およびヒトSCA1患者由来iPS細胞、embryoid body、ならびに分化プルキンエ細胞を用いて次世代シーケンス解析を行い、多次元における遺伝子発現変化を解析する新規動的分子ネットワーク解析を通じ、SCA1における発達期病態の包括的理解ならびに治療シーズの探索をめざす。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、脊髄小脳失調症1型 (SCA1)患者由来iPS細胞、embryoid body (EB)、および分化プルキンエ細胞の三種類の細胞を準備した。iPS細胞とembryoid bodyは、単独培養下で回収した。プルキンエ細胞は、マウスフィーダー細胞(マウス菱脳唇由来顆粒 細胞)と二層培養後、プルキンエ細胞マーカーによる免疫染色後、FACSにより細胞を回収した。これら細胞から、RNAを抽出し、RNA-sequenceを行い、各細胞フェーズにおける遺伝子発現変化を比較した。今回の研究では、これまで生後脳および死後脳での解析が主だったが、さらに時間的に繰り上げて、受精直後のES細胞に相当するiPS細胞から解析を始め、受精から発生段階、誕生から発症、そして個体死に至る全過程を解析(トータルシミュレーション)しようと試みた。さらに、複数時系列の多次元データのベクトル解析から、相関・因果関係を有した遺伝子群を絞り込む独自のアプローチ(時系列分子ネットワーク解析法: iMAD)から、分子病態を制御する中核遺伝子(ドライバー遺伝子)を、いくつか同定した。このうち、プルキンエ細胞のフェノタイプ異常につながる、分子ネットワークの最上流において制御する遺伝子をピックアップした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の5項目中、昨年度までに2項目(1. iPS細胞からプルキンエ細胞までの細胞フェノタイプ解析、2: iPS細胞・embryoid body・分化プルキンエ細胞における遺伝子発現解析)を達成していた。本年度は、さらに1項目(3: 細胞フェーズ間の遺伝子発現変動の動的ネットワーク解析)を実施し、候補ドライバー分子をピックアップすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
得られた候補ドライバー分子が関与する病態が、研究開発代表者が所属する研究室が提唱する、発症のはるか以前に起こる超早期病態とどう関係するかを明らかにする。また、初期病態を反映するバイオマーカー探索にもつなぐ観点で研究を進める。
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