研究課題/領域番号 |
22K07366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石黒 太郎 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (20748587)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | G quadruplex / 核酸医薬 / 神経変性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患において異常タンパク質の発現を制御することが重要である。変異タンパク質の翻訳するRNAの構造制御をRNA ori gami技術を応用することで試み、神経変性疾患の新しい拡散技術を創生する。
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研究実績の概要 |
今回標的RNAのGGG配列を利用した人工的に強固な核酸高次構造(グアニン四重鎖)を構築することによってRNAの機能を制御する新しいタイプの核酸医薬(G-ASO)を開発した。グアニン四重鎖構造を構築するG-rich部分とアンチセンス鎖を有しており、miRNAやRNA結合タンパク質、翻訳因子、スプライシング因子など様々なRNA修飾因子が結合する機能領域を標的としたループ構造を誘導することが可能である。筋ジストロフィーのpre-mRNAに対するG-ASOではエクソンスキッピングに成功し、ジストロフィンの誘導に細胞モデル、動物モデルにて成功した。またSCA31におけるLAN翻訳についても抑制が可能であった。また研究中に既存のG-ASOの問題点として標的RNAとではなくG-ASO同士でグアニン4重鎖(Self-G4)を形成し標的RNAとのグアニン4重鎖形成効率が低下することが判明した。またそれにより有効性低下や毒性など懸念された。しかし今回G-ASOの自己重合を抑制する新規技術の開発にも成功し、特許申請している。グアニン四重鎖およびループ構造形成によりpre-mRNA、mRNA、lncRNAなど各種RNAのタンパク質翻訳抑制、exon skipping、逆転写阻害、miRNA阻害、RNA顆粒形成抑制など生理機能を制御することで、神経筋疾患、癌、ウイルス感染症などに対する新規核酸医薬となることが期待される。またヘテロ核酸化も可能でありデリバリーと安全性を融合したヘテロ核酸医薬プラットフォームへの展開が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
筋ジストロフィーの新規核酸医薬として全く新しいメカニズムを利用したエクソンスキップに成功している。また弱点であった自己重合についても解決策を見出し、OFF target効果も軽減した第二世代G-ASOを開発できた点で順調に進呈したと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
G-tethered ASO 自身のSelf-G4形成による重合を抑制できることでG-tethered ASOの濃縮が可能となり核酸医薬品化が可能となることが期待できる。今後はG-quadruplexを誘導することで遺伝子発現の上昇、異常タンパク質翻訳抑制など様々な応用を探っていき、核酸医薬の新規モダリティとしてのG-ASOの実用化を図っていく。
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