研究課題/領域番号 |
22K07369
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森 大輔 名古屋大学, 脳とこころの研究センター(医), 特任准教授 (00381997)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 統合失調症 / 3q29欠失 / モデルマウス / 疾患モデルマウス / 概日リズム |
研究開始時の研究の概要 |
本申請課題では、これまで確立した精神疾患発症に強く関わるゲノム変異を模した複数のモデルマウスを対象に、モデルマウス横断的に活動量と体温の継時的な日内変動データを取得し、各モデルマウスに特徴的な、あるいは共通する特性を見出す。活動量と体温の概日リズムの変調は、精神疾患患者で頻発する睡眠覚醒リズム障害と密接に関連する可能性がある。サンプリング時刻を意識した遺伝子発現等の解析から概日リズムの表現型の分子基盤も明らかにし、ヒト睡眠覚醒リズムデータとも照合して創薬研究への指標とする。
|
研究実績の概要 |
一連の一般行動試験では3q29-delマウスは多動であることが示唆された。10週齢の3q29-delマウスとWTマウスのデータを取得した。24時間運動活性試験を実施したところ各群の総活動量に大きな差は見られなかったが消灯直後の活動量の増加は、WTマウスよりも3q29-delマウスの方が速いことがわかった。15分間隔のデータでも、3q29-delマウスはWTマウスよりも消灯後の活動量の増加が著しく速かった 3q29-del雄マウスを単独で飼育した1日運動試験では、点灯から消灯への変化後の活動量の増加が見られ、WTマウスのそれよりも敏感であった。この観察結果を、より自然な状況でより定量的に解析した。一般に運動量試験では、ケージ内の赤外線をマウスが横切る回数で活動量を測定するが、本研究では動物用寝具が敷かれていなかったため、長時間の測定は不可能であった。そこで、3q29-del雌マウスとWT雌マウスの腹腔内に、ネズミ用の小型加速度センサーチップ(商品名Nano-tag)を埋め込んだ。移植後、マウスは遺伝子型ごとに同じケージに入れられ、1週間の治癒期間を設けた。その後、12時間ごとに自動的に消灯・点灯する明暗(L-D)サイクルにマウスを順応させ、その後、測定を開始した。ヒストグラムを見ると、消灯時に活動量が増え、点灯時に活動量が減るという明確な傾向が見られ、測定システムはうまく機能していると判断した。L-Dサイクルで6週間、すべてのマウスから活動量と体温のデータを取得した。24時間運動活性試験と同様に、3q29-delマウスはWTマウスに比べて、消灯時の活動量の増加、体温の上昇が有意に速かった。また、この実験を雄マウスでも試みたが、集団飼育による喧嘩の頻度が高く、安定したデータを得ることは困難であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文投稿し、エディターの指示により改訂中であるため。
|
今後の研究の推進方策 |
まずは論文の受理を目指し補足実験を行うことと、本研究課題の発展のため引き続き精神疾患モデル横断的な日周性活動量・体温のデータを取得する。
|