研究課題/領域番号 |
22K07375
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
池島 宏子 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准訪問研究員 (60265783)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アストロサイト / ミクログリア / 脳 / 脳損傷 / BrdU / GFAP / Iba1 / ニューロン / 魚類 / 神経修復 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでにマウスの脳損傷モデルを用いて、脳内の細胞の一つアストロサイトに着目して脳のダメージを抑える因子を複数見出している。 魚類は、成体でも損傷を受けた中枢神経系は再生する。ヒトの神経疾患の治療を目指して次のステップに踏み込むために、本研究では魚類成体の中枢神経系の高い再生能と、脳損傷によって失われる社会行動の回復能に着目する。即ち『損傷脳の再生過程』と『行動の回復過程』の相互作用におけるアストロサイトの機能を分子・細胞・回路・行動レベルで解析することを目的とする。得られた知見はヒトの脳損傷や神経変性疾患に留まらず、統合失調症や自閉症のような精神疾患の治療へも重要な情報を与えるものと考える。
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研究実績の概要 |
損傷を受けたマウス脳とは異なり,硬骨小型魚類の脳では損傷を受けても再生することから,本研究では小型魚類の脳へ穿刺損傷を施してグリア細胞の機能解析を行う. これまでのマウス脳における損傷後のグリア細胞の反応性と比較をするために,小型魚類の脳に穿刺損傷後の日にちを追ってグリア細胞のマーカー因子の発現解析を行った.その結果,損傷後の急性期には強い発現上昇が認められ,その後ゆっくり損傷前のレベルへ落ち着いていった.この結果は,マウスを用いて行った解析結果と良い一致が見られ,小型魚類でも穿刺損傷によってグリア細胞が反応することが明らかとなった. さらに,穿刺損傷後の日にちを追って脳切片を解析した結果,グリア細胞のマーカー因子の発現解析を再現するするような結果が得られた.また,損傷周囲における増殖細胞をラベルして解析を行った結果,グリア細胞がマーカー因子の発現と呼応するように増殖していることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小型魚類を用いた脳損傷モデルにおけるグリア細胞の機能解析は予定通り進んでおり,今後のさらなる解析に期待される.
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今後の研究の推進方策 |
小型魚類の脳損傷モデルにおけるグリア細胞の反応性に関して,損傷後の時間経過を追って詳細な解析を行う. また,その際のニューロンの挙動に関しても並行して解析を進めていく.
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