研究課題/領域番号 |
22K07377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
池田 啓子 昭和大学, 歯学部, 客員教授 (10265241)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Naポンプ / アスコルビン酸 / 脳幹脊髄摘出標本 / アポトーシス / SVCT2 / ノックアウトマウス / トリガー物質 / 電気生理学的解析 / ナトリウムポンプ / 遺伝子改変マウス / 神経疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
Na ポンプαサブユニット遺伝子変異を原因とする複数のNa ポンプ神経疾患では、身体的/精神的ストレスが引き金となり、疾患が発症しジストニアや頭痛などの発作がおこる。応募者はNa ポンプ神経疾患病態モデルマウスを使った先行研究で、引き金となるトリガー物質の一つが脳内アスコルビン酸で、その量の低下が症状発現に繋がることをつきとめた。本研究は、病態モデルマウスを用い、脳内アスコルビン酸量の低下が神経細胞と神経回路に及ぼす影響を電気生理学的に明らかにし、アスコルビン酸投与による症状抑制の検証を目的とする。本研究計画の達成は、神経系でのアスコルビン酸の新規役割を分子レベルで理解することを導く。
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研究実績の概要 |
NaポンプはATPの加水分解エネルギーを用いて、NaイオンとKイオンを輸送する能動輸送酵素で、αとβの2つのサブユニットからなる。 Naポンプによって維持される形質膜を隔てたNaイオンやKイオンの濃度勾配は、 グルコースなどの栄養分やイオンの輸送、 浸透圧の制御に利用される。つまりNa ポンプは生存に必須な蛋白質である。近年Na ポンプαサブユニット遺伝子変異を原因とする複数の神経疾患が報告されてきた。疾患は多岐にわたるものの、共通した特徴が2つある。1つめは身体的/精神的ストレスが引き金となり、疾患の発症やジストニアや頭痛などの発作がおこるという点、2つめは呼吸活動を含む自律神経に関する症状が随伴するということである。最終目標はこれらの点について病態基盤を解明し、症状発現の抑制のための治療薬開発である。Na ポンプ神経疾患病態モデルマウスを使った先行研究で、引き金となるトリガー物質の一つが脳内アスコルビン酸であり、その量の低下が症状発現に繋がることをつきとめた。今年度は以下2点の実験を行った。1. 脳内アスコルビン酸量が恒常的に低下したマウス新生仔(SVCT2-KO)の脳幹を調製し、酸素化された生理食塩水が還流するシャーレの中に摘出脳幹(延髄と脊髄)を置き、呼吸中枢神経系の活動を横隔神経(C4)活動で導出し、電気生理学的解析をした。低酸素や高炭酸ガスに対するC4の応答もみた。2. 呼吸中枢神経系が存在する脳幹の組織学的解析を行った。1の結果:昨年度の予備的実験結果では、SVCT2-KOでは低酸素や高炭酸ガス応答が欠如していることが示唆されていた。今年度、例数をふやし実験を繰り返したところ、SVCT2-KOでは応答性が存在するものの、著明に減弱していることが判明した。2の結果:SVCT2-KOではリズム形成を担う呼吸中枢形成ニューロン群に多量のアポトーシス細胞が観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、実験環境が整い、概ね順調に結果が出ている。実験例数を増やし、実験を行っている。昨年度の予備的実験からの予想と異なる結果が出たが、新たな知見が得られた。また、アポトーシスの電顕写真も取得することができた。
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今後の研究の推進方策 |
低酸素や高炭酸ガス応答は、欠如していなかったが、呼吸を司る呼吸中枢神経群に比較的特異的なアポトーシスがあることを新たに発見した。今後はアスコルビン酸の欠如が、呼吸中枢神経群のアポトーシスを引きおこすのか、分子基盤を探索する。アスコルビン酸欠乏が、部位特異的にニューロン等のアポトーシスをひきおこし、Na ポンプ関連神経疾患発症につながることを証明し、アポトーシスを防ぐ治療薬開発に繋げていく予定である。
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