研究課題/領域番号 |
22K07378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
平澤 孝枝 帝京大学, 理工学部, 准教授 (10402083)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ミクログリア / 母子分離 / マイトファジー / ミトコンドリア / ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経系の常在免疫細胞であるミクログリアは、静止型のM0型、炎症性のM1型と抗炎症性のM2型の3種に分けられ、脳内環境に応じて変化する。本研究では、このM1/M2の「極性転換」においてストレス誘発性のグルココルチコイドがミトコンドリアのマイトファジー経路の異常を引き起こし、ミクログリアの極性を制御しているか明らかにする。さらに、この極性が11β-HSD1やその阻害剤によって変化するか確認する。
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研究実績の概要 |
ストレスを受けたマウスや精神疾患モデルマウスでは、ミクログリアが活性化することが報告されている。申請者は、これまでに生後直後のストレスがミクログリアの発生由来を肝臓から骨髄由来へとシフトさせる知見を得ている(科研費基盤(C); 19K08353)。さらに、ストレスを与えたマウスや自閉症などの疾患モデルマウスにおいて脳内ミクログリアが既に炎症反応を起こしている知見を得ている。その結果から、幼若期ストレスに起因するミクログリアの活性化は単に由来だけではなく、M1/M2という極性の変化であると考え、幼若期のストレスによって起こるミクログリアの極性転換経路について、11β-HSD1によるグルココルチコイドの活性化を引き金としたミトコンドリア代謝活性異常との関連を明らかにすることを目的とする。本年度はミクログリアの単離法の開発に着手した。本研究では出来るだけ多くのミクログリアを必要としM1/M2が刺激に応じて変化するかを検討している。まず、生後マウス脳よりパーコール法を用いた単離法や、アストロサイト培養細胞からの単離法、マイクロビーズ法による単離法と検討した。パーコール法では回収は可能であるが、多くの他の細胞も含まれることがあったため、マイクロビーズを行い、純度を挙げる方法を検討した。その結果、より純度の高いミクログリアはアストロサイト培養下にて、ピペッティングより単離し、その後マイクロビーズにて単離する方法がより純度の高いものが得られることが分かった。今後、これらのミクログリアの性質を検討していく。また、現在混合培養におけるニューロン-グリア(アストロサイト、ミクログリア)の相関を検討し、ミクログリアの極性と保護、炎症作用を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ミクログリアの単離と量の問題が解決出来ていなかったため、やや遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
ミクログリアの単離には血球由来のマクロファージ、白血球などを取り除き、出来るだけ純粋なミクログリアの単離を目指している。今回、アストロサイト上のミクログリアを剥離し、マイクロビーズでさらに分離することで、ミクログリアを単離することをおこなっている。しかしながら今後はミクログリアの株化細胞(M1タイプのみである)を並行し、進めていくことで、M1の性質について解析できるようにする。また、LPS以外の刺激物質も検討し、炎症反応とニューロン、アストロサイトとの関係を解析していく。23年度は特に炎症反応下におけるマイトファジーの作用について検討していく
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