研究課題/領域番号 |
22K07382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
西村 周泰 同志社大学, 脳科学研究科, 准教授 (90527889)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ヒトiPS細胞 / 脳オルガノイド / パーキンソン病 / 中脳黒質 / 線条体 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)の病態を理解するには、ヒト脳が有する神経回路および神経機能を持ち、かつ病態における脳機能破綻を再現できる高度に組織化されたヒト脳モデルを用いた解析が有用であると考えられる。 本研究課題では、多領域性を持つ脳オルガノイドを作製して以下の研究に取り組む。 ・ヒトiPS細胞を用いて、多領域性を持つ線条体-黒質オルガノイドを作製する。 ・黒質-線条体オルガノイドを用いて、領域間の神経回路網形成過程を再現する。 ・黒質-線条体オルガノイドが持つ多領域性を利用して、PDで見られるα-シヌクレインの脳内伝播を再現し、PD病態を抑制する介入法の研究へ発展させる。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続きヒトiPS細胞から誘導した線条体ニューロスフェアおよび中脳ニューロスフェアの特性評価を詳細に解析した。免疫染色による領域特異的マーカーの発現(線条体:GSH2、DARPP32、GADなど。中脳:LMX1、FOXA2、NURR1、THなど)の確認に加えて、カルシウムイメージングを用いて自発的な神経活動が惹起されていることを確認できた。さらにヒトiPS細胞から線条体、中脳の誘導過程における遺伝子発現変化をRNA-seqによる網羅的なトランスクリプトーム解析し、両者の遺伝子発現の特性について必要なデータを概ね収集した。 次に脳の領域間を伝播するシヌクレイノパチーの病態を再現するため、これらの両ニューロスフェアを融合させて作製する多領域脳オルガノイドの作製条件について重点的に検討を行った。その結果、両ニューロスフェアを融合させるための誘導日数、サイズ、融合後の染色条件などを至適化することに成功した。さらに前年度、作製したα-シヌクレイン欠損ヒトiPS細胞およびα-シヌクレイン誘導性発現ヒトiPS細胞を用いて、神経誘導を行い、必要な領域の神経細胞へ誘導できることを確認した。次年度はこの多領域脳オルガノイド特性を詳細に解析するとともに、α-シヌクレインの脳領域間伝播を再現できるかについて検討を進める。またα-シヌクレインの脳領域間伝播について、次年度実施するヒト脳モデルでの実証に先駆けてマウス脳における領域間伝播について解析を行った。その結果、脳に接種したα-シヌクレインはマウスの脳において接種部位から広く拡散することが確認することができた(Gima et al., Regen. Ther., 2024)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実施項目は概ね達成できたため。
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今後の研究の推進方策 |
上記の進捗のもと、脳の領域間を伝播するシヌクレイノパチーの病態再現研究を進める。
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