研究課題/領域番号 |
22K07393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
関島 良樹 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (60322715)
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研究分担者 |
佐藤 充人 信州大学, 医学部, 特任助教 (10816630)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アミロイド / トランスサイレチン / ATTRアミロイドーシス / 自己抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
野生型ATTRアミロイドーシスは,アルツハイマー病と並び非常に頻度の高い老化関連アミロイドーシスである.我々はこれまでにトランスサイレチン(TTR)四量体の不安定化が遺伝性ATTRアミロイドーシスの原因であることを解明した.しかし,野生型ATTRアミロイドーシスではTTR四量体の不安定性は存在せず,その原因は不明である.本研究では,免疫機序によるTTRタンパクの品質管理システムを解析し,野生型ATTRアミロイドーシスの原因を明らかにする.「通常は有害なTTRタンパクは自己抗体などにより除去されるが,患者ではこの機能が低下している」と予想され,抗体やワクチンを用いた創薬への応用が期待される.
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研究実績の概要 |
同意の得られた健常人12名、ATTRwtアミロイドーシス患者35名、非ATTRwtアミロイドーシス患者68名から血清サンプルを得た。 血清中のTTRに対する自己抗体の存在を確認するために、リコンビナントTTRをSDS-PAGEし、PVDFメンブレンに転写して血清を一次抗体としてウェスタンブロットを行なった。全長TTRではTTR monomerに相当する約14 kD付近に明らかなバンドが出現し、dimerやtrimerに相当する高位にも淡いバンドが出現した。これはTTRタンパクは本来安定的な4量体構造をとるが、それが崩れると自己の免疫機構によって異物として認識され、自己抗体が作られることを支持するものである。Shorty TTR(TTRペプチド49-127)のウェスタンブロットではmonomerに相当する約9 kDに加え,20-80 kDの範囲に複数のバンドが出現した。このバンドはshorty TTRのoligomerに対する自己抗体と考えられ、ほとんどの血清サンプルで80 kD付近に共通のバンドが出現するが、サンプルによって高位・数が異なる複数のバンドが出現した。これは体内に多様なshorty TTR oligomerが存在し、これを排除しようとするヒトの免疫機構があることを示している。ATTRwt患者群と非患者群で出現するバンドに特徴的な傾向は見出せなかった。 次に、TTRに対する自己抗体を定量的に評価するために、ELISAによる抗体価の評価系構築を試みた。間接ELISAを採用し、TTRタンパクを固相化し、血清、続けて標識ヒトIgG二次抗体を反応させ、TMB基質で発色させた。反応条件を複数検討したところ、wild TTR、shorty TTRとも有意差を持って年齢に比例して抗体価が上昇していく傾向が確認されたが、ATTRwt患者群と非患者群では有意差を認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調にアミロイドーシス患者および非アミロイドーシス患者からのサンプルが収集されており、ウェスタンブロットおよびELISAの実験系が確立しつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの間接ELISAにおいて、TTRタンパクの固相化条件でサンプル間の差に変化がみられており、患者群と非患者群を差別化できる可能性があり、まずELISA反応条件の検討を行っていく。具体的には、TTRタンパク固相化の際にβ-MEなどの変性剤を用いる方法(β-ME ELISA)や、サンドイッチ法で血清を固相化し、至適な条件でTTRタンパクを反応させることで多様なoligomerをウェル中で形成させることで、ポリクローナルなTTR自己抗体の検出を目指す。また生体内で形成されるshorty TTR oligomerを特異的に認識する抗体、すなわち生体内で作成される自己抗体と同様なエピトープを認識する抗体の作成を行う。そのためには単純なタンパクの皮下への免疫では目的とする抗体が形成されない可能性があるため、shorty TTRのcDNAを含む発現ベクターを作製し、ベクターを免疫動物に直接投与するDNA免疫法を用いる予定である。
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