研究課題/領域番号 |
22K07395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 利匡 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (60807270)
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研究分担者 |
山本 浩一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00528424)
樂木 宏実 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (20252679)
赤坂 憲 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (70468081)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 老化 / 肝臓 / 膵β細胞 / 糖尿病 / 高齢 / オートファジー / 高齢者糖尿病 / 加齢 / リソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
生体内では日々、細胞が増殖・分解を繰り返し、動的平衡状態を保っている。細胞内小器官も細胞内で動的平衡状態にあり、これを実現するオートファジーは加齢に伴い低下する。本研究では糖尿病の視点から、加齢による全身臓器のオートファジー機能低下の評価と血中リソソーム関連遺伝子との相関を検討することを目標とする。また、リソソーム生合成を増強することで抗加齢作用と糖尿病治療に繋げる。さらに血中のリソソーム関連遺伝子から糖尿病発症のリスク、重症度、治療判定マーカーの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究においては以下の3つの目標を設定し進めている。 目的①加齢による全身の臓器(膵臓、肝臓、骨格筋)のオートファジー機能能評価と血中リソソーム関連遺伝子との相関を評価する。 目的②リソソーム機能を増強することで加齢によるオートファジー低下を是正し、抗加齢作用と糖尿病治療を行う。 目的③臨床での糖尿病の発症リスク、重症度や判定のマーカーとして全身のリソソーム機能を評価する方法を開発する。 本研究では加齢による全身のリソソーム機能低下に注目しており、糖尿病発症機構に全身の臓器(膵臓、肝臓、骨格筋)のオートファジーの変化の評価を行っている。これまでに我々はインスリン分泌を行う膵β細胞と、肝細胞と肝微小循環を形成し、血液中の物質の循環を行っている肝類洞内皮細胞に注目し、それぞれの細胞株に対して、薬剤ならびに遺伝子発現を調整することで老化誘導を行い、その特性を評価している。 老化マーカー(p16、p21、p53)の発現、組織のβ-ガラクトシダーゼ(SA-β-gal)や細胞周期をバイオセンサーを用いたイメージングにて評価している。老化誘導を行ったMIN6細胞ではインスリン分泌応答が低グルコース、高グルコース刺激においても反応性が上がることが示された。この現象の原因としてマウス膵β細胞株MIN6細胞では、リソソームやインスリン顆粒の動態を調整する、SNAREタンパク質のmRNAレベルでの変化が老化誘導を行ったMIN6細胞では変化が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響もあり、予定していた目的③「臨床での糖尿病の発症リスク、重症度や判定のマーカーとして全身のリソソーム機能を評価する方法を開発する」の臨床検体を収集することが困難になっている。このため、当研究では目的①「加齢による全身の臓器(膵臓、肝臓、骨格筋)のオートファジー機能能評価と血中リソソーム関連遺伝子との相関を評価する」と 目的②「リソソーム機能を増強することで加齢によるオートファジー低下を是正し、抗加齢作用と糖尿病治療を行う」に集中して研究を進める事にしている。現在のところ、目的①の解析に当初の計画より時間がかかっており、その研究の進行に注力している。
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今後の研究の推進方策 |
当研究の目的①「加齢による全身の臓器(膵臓、肝臓、骨格筋)のオートファジー機能能評価と血中リソソーム関連遺伝子との相関を評価する」と 目的②「リソソーム機能を増強することで加齢によるオートファジー低下を是正し、抗加齢作用と糖尿病治療を行う」を中心に進めている事を予定している。目的①においては、細胞株からマウス臓器のスライス培養を行い、その変化をオートファジーやリソソーム機能をバイオセンサーを用いて評価する。目的②に関しては、オートファジーを賦活する薬剤(トレハロースなど)や飢餓ストレス刺激による加齢の進行、オートファジーの状態を評価するとともに、耐糖能やインスリン分泌の変化を評価して、糖尿病発症機構との関わりを検討する。
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