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肺構成細胞特異的な細胞老化制御による加齢関連肺疾患の発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K07409
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52010:内科学一般関連
研究機関川崎医科大学

研究代表者

竹之内 康広  川崎医科大学, 医学部, 講師 (30582233)

研究分担者 岡本 安雄  川崎医科大学, 医学部, 教授 (80293877)
坪井 一人  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80346642)
北風 圭介  川崎医科大学, 医学部, 助教 (80840545)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード老化細胞 / 臓器線維化 / 肺胞上皮細胞 / 老化 / 線維化 / 肺線維症 / 細胞老化
研究開始時の研究の概要

様々な加齢関連疾患の発症や病態悪化に対し細胞老化の関与が強く示唆されており、特発性肺線維症でも肺構成細胞の老化が多く観察されている。しかし、肺を構成する各細胞の老化の病態生理学的役割については不明な点が多い。我々はこれまでに、細胞老化による線維化関連因子の発現変化が肺構成細胞の種類によって異なる結果を得ている。本研究では、細胞老化の誘導因子であるp16を肺構成細胞特異的に欠損させたマウスを用い、肺線維症における老化した各肺構成細胞の病態生理学的役割を明らかにする。本研究成果は、老化細胞を標的とした肺線維症治療への基盤を確立するのみではなく、生活習慣病などの他の加齢関連疾患への応用も期待できる。

研究実績の概要

生体内で老化した細胞は、創傷治癒など生体の恒常性維持において重要な役割を担う一方で、周辺組織に慢性炎症を引き起こし、様々な加齢性疾患の発症および病態悪化へ関与することが強く示唆されている。肺線維症の肺でも主に肺胞上皮細胞やマクロファージに老化細胞が多く観察されることから、臓器線維化に老化細胞が果たしている役割が大きいと考えられる。本研究では、細胞老化の重要な誘導因子であるp16を肺構成細胞特異的に欠損させたマウスを用い、肺線維症における老化した各肺構成細胞の病態生理学的役割を明らかにする。
ブレオマイシンの腹腔内への反復投与により肺線維症モデルを作成し、肺線維症の指標となる肺胞洗浄液中の肺胞洗浄液中の細胞数、タンパク濃度および可溶性コラーゲン濃度を測定した。また、肺組織標本を用いHE染色やコラーゲンを染めるマッソン・トリクローム染色による組織学的検討を行った。2022年度は肺胞上皮細胞特異的p16ノックアウトマウスを用いた検討を行い、肺胞上皮細胞のp16欠損による肺線維化の軽減を見出した。本年度は、マクロファージ特異的p16ノックアウト(Mφ-AEC)を用いて解析を行った。その結果、ブレオマイシン投与により肺胞洗浄液中の各数値の上昇が見られたが、対照群とMφ-AECを比べてもほとんど変化が見られなかった。肺組織切片においてもブレオマイシン投与により間質や肺胞への細胞浸潤の増大およびコラーゲン蓄積が見られたが、Mφ-AECと対照群の間で変化が見られなかった。以上の結果から、肺の線維化には、肺構成細胞肺のうち肺胞上皮細胞の老化が重要である可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は肺線維症における老化した各肺構成細胞の病態生理学的役割を明らかにすることを目的としている。今年度はマクロファージの老化が肺の線維化に及ぼす影響を検討した。肺線維症モデルマウスを用いたこれまでの我々の検討で、肺構成細胞のうち特に肺胞上皮細胞とマクロファージがp16を介した老化を引き起こしていることを明らかにしている。昨年度と本年度の結果から、マクロファージと肺胞上皮細胞のうち老化肺胞上皮細胞が深く関与していることが示唆された。よって、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

主に老化肺胞上皮細胞が肺の線維化を悪化させることが示されたため、老化により変動するシグナル分子について検討する。それぞれのマウスの肺からmRNAおよびタンパクを抽出し、線維化関連因子の変動を検討する。また、磁気ビーズ細胞分離法により肺胞上皮細胞を単離した後、遺伝子発現およびタンパク発現を検討することで、変動するシグナル分子を探索する。さらに、これらの分子が線維化にどのような影響を与えるか単離細胞および培養細胞を用いた検討を行う予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 学会発表 (8件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 線維化肺における脂質メディエーター分解酵素の発現低下メカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      岡本安雄, 竹之内康広, 北風圭介, 松井玲奈, 石丸浩靖, 杉本理栄, 坪井一人
    • 学会等名
      第100回日本生理学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 線維化に関連するオーファンGタンパク質共役型受容体Gpr176の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      岡本安雄, 松井玲奈, 古賀大輔, 竹之内康広, 北風圭介, 石丸浩靖, 坪井一人
    • 学会等名
      第64回 日本生化学会 中国・四国支部例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 線維化に応答するオーファンGタンパク質共役型受容体Gpr176の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      岡本安雄, 松井玲奈, 古賀大輔, 竹之内康広, 北風圭介, 石丸浩靖, 坪井一人
    • 学会等名
      第143回日本薬理学会近畿部会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 線維化に促進的に働くGタンパク質共役型受容体Gpr176の同定2023

    • 著者名/発表者名
      岡本安雄, 松井玲奈, 古賀大輔, 竹之内康広, 北風圭介, 石丸浩靖, 坪井一人
    • 学会等名
      第75回日本生理学会中国四国地方会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 肺胞上皮細胞の老化は肺の線維化を促進する2023

    • 著者名/発表者名
      竹之内康広, 宇納恵大, 北風圭介, 杉本理栄, 石丸浩靖, 坪井一人, 岡本安雄
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 肺胞上皮細胞特異的p16ノックアウトマウスを用いた老化肺胞上皮細胞の肺線維化への影響2022

    • 著者名/発表者名
      竹之内康広, 北風圭介, 杉本理栄, 石丸浩靖, 坪井一人, 岡本安雄
    • 学会等名
      第63回日本生化学会中国・四国支部例会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 肺線維症における老化肺胞上皮細胞の役割2022

    • 著者名/発表者名
      竹之内康広, 北風圭介, 杉本理栄, 石丸浩靖, 坪井一人, 岡本安雄
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] p16コンディショナルノックアウトマウスを用いた肺線維化における老化肺胞上皮細胞の役割の解析2022

    • 著者名/発表者名
      竹之内康広, 北風圭介, 杉本理栄, 石丸浩靖, 坪井一人, 岡本安雄
    • 学会等名
      第96回日本薬理学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 川崎医科大学薬理学教室

    • URL

      https://kms-pharmacol.wixsite.com/website

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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