研究課題/領域番号 |
22K07413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
角元 利行 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90876814)
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研究分担者 |
松川 敬志 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80755760)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 副腎白質ジストロフィー / バイオマーカー / ELISA / ニューロフィラメント軽鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
副腎白質ジストロフィー(ALD)は大脳に病変が進展すると数年で死亡する難病である.これまでは頭部MRIにより病勢や唯一の治療である造血幹細胞移植の適応の判断がなされてきた.しかし,大脳型ALDの進行速度やMRIに出ない副腎脊髄ニューロパチーの病勢はMRIでは評価困難であった.本研究では,ALD患者における軸索障害のマーカーであるニューロフィラメント軽鎖の測定を行い,病型の分類や臨床症状,MRIとの対応を調べることで,ALDの病勢の評価,造血幹細胞移植の適応基準となる客観的かつ定量的なバイオマーカーの確立を目指す.
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研究実績の概要 |
副腎白質ジストロフィー(ALD)患者における脳脊髄液中ニューロフィラメント軽鎖(NfL)について新規例を加えて今までに得られていた結果の妥当性について検証した.以前得られた結論と同様,大脳型ALDは副腎脊髄ニューロパチー(AMN)に比べ脳脊髄液中NfLが有意に高かった.カットオフ値を設定することで,大脳型ALDとAMNを分離することができ,これは血清NfLを用いた過去の報告よりも良い精度であった.脳幹小脳型ALDでも脳脊髄液中NfLはAMNに比べ高い傾向にあった.長期的に脳脊髄液中NfLを追えた例についても追加で検討を行った.AMNの状態を維持しており大脳型ALDへ進展していない例については最長で10年程度の経過を追えたが,その間常にカットオフ値より低い値を推移していた.一方でAMNから大脳型ALDへ移行する際には脳脊髄液中NfLが上昇していたり,あるいは大脳型ALDへの移行前からNfLが上昇している例が見られた.造血幹細胞移植を行うと大脳病変の進展が停止した症例では脳脊髄液中NfLが低下した一方で,大脳病変が進展した例ではNfLがさらに上昇し,予後不良であった.以上の結果をまとめ,Annals of Clinical and Translational Neurology誌に発表し,国際学会American Society of Human Geneticsの2023年総会でポスター発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳脊髄液中ニューロフィラメント軽鎖が,大脳型で上昇すること,治療により低下することについて論文を発表し学会報告した.血清の測定についても倫理申請を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
計画に沿って、臨床情報の収集,血漿検体および可能な範囲での脳脊髄液の採取を前向きに行う前向きコホート研究の倫理申請を通し,患者登録を進めていく.また、血清検体でのNfLの測定については他施設の協力を得てSiMoa assayでの測定を行う.
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