研究課題/領域番号 |
22K07417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井上 潤 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50631561)
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研究分担者 |
木下 雅登 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (10913113)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 過敏性腸症候群 / 腸内細菌 / 腸管上皮透過性 |
研究開始時の研究の概要 |
過敏性腸症候群(IBS)は腹痛を伴う下痢や便秘が慢性的に持続する疾患で、罹患率が高 くQOLが著しく低いがそのメカニズムは不明である。腸管の内視鏡や通常の画像検査では異常を認めないものの、腸管粘膜のバリア機能が低下や顕微鏡レベルでの粘膜内の微小な炎症、さらに腸内細菌の異常が報告されている。 腸内細菌培養モデルを中心とした細胞と細菌培養実験を軸に腸内細菌と腸管の細胞の相互作用を解析し、腸内細菌叢の異常により、腸管上皮の透過性を亢進(バリア機能を低下)させIBSを発症させるメカニズムを解析する。またIBS動物モデルも併用し、腸内細菌の異常、宿主の異常の双方の解析からIBSの分子学的な機序の解明を行う。
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研究実績の概要 |
過敏性腸症候群(IBS)は腹痛を伴う下痢や便秘が慢性的に持続する疾患で、そのメカニズムは不明である。腸管の内視鏡や画像検査では器質的異常を認めないものの、腸管粘膜透過性の亢進および粘膜内の微小な炎症があり病態に関与している可能性が指摘されている。さらに腸内細菌の異常が報告されている。本研究の目的は、IBSの腸内細菌叢と腸管上皮の透過性亢進の関連を明らかにし、IBS病態の解明を目指す。独自の腸内細菌培養モデルを中心としたin vitro実験系を軸に、動物実験などを併用し実験を行う。 これまでに、IBS患者の糞便サンプルから得られた腸内細菌と腸管上皮培養細胞の共培養モデルを構築した。好気環境において腸管上皮細胞であるcaco-2細胞を用いたトランスウェル培養装置へ腸内細菌培養上清を投与すると、IBS患者の培養上清では健常者の培養上清と比べ腸管上皮の透過性が亢進することが確認された。またIBS腸内細菌との共培養後の腸管上皮培養細胞の遺伝子発現の程度をRNA-seqによって解析し、対象群と比較した。IBSの腸内細菌が腸管上皮の透過性亢進させタイトジャンクション遺伝子の発現低下を伴う多くの遺伝子の変化することを明らかとした。今後 in vitroでIBSの腸内細菌による腸管透過性亢進の分子学的機序の解析およびin vivoでの解析も進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腸内細菌の培養モデルおよび腸管上皮の培養モデルなどの、嫌気および好気条件はじめ、in vitroの系の条件検討などを詳細に検討でき、分子機序の解析を進めることが可能となっており、進捗として概ね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
腸内細菌培養モデルと腸管上皮培養モデルをあわせたin vitroでの共培養モデルで、IBSと健常者の腸内細菌の比較解析を進め、IBSの腸内細菌が腸管上皮に与える因子を引き続き探索し、培養上清・菌体そのものの観点から分子学的な解析を進める。さらにIBSモデルマウスを用いたin vivoでの解析も進めていく。
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