研究課題/領域番号 |
22K07427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
相羽 由詞 自治医科大学, 医学部, 学内講師 (60783694)
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研究分担者 |
渡邊 真弥 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60614956)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Acinetobacter baumannii / CRISPR-Cas13 / バクテリオファージ / 抗菌カプシド / 簡易遺伝子型別法 |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤耐性菌の出現と蔓延は世界規模の公衆衛生上の問題である。耐性菌を制御するためには、迅速かつ高精度な耐性遺伝子の検出システムが必須となる。しかし、現行の日常臨床検査において遺伝子同定は操作の煩雑さや費用面から実施が困難である。本申請では、配列特異的な標的遺伝子を認識して殺菌するCRISPR-Cas13a配列を細菌に感染するバクテリオファージに搭載した抗菌カプシドを開発することで、核酸の増幅を必要としない新たな細菌遺伝子の鑑別法を確立する。本申請の成果は、薬剤耐性菌問題の克服に向けた適正な抗菌治療や予防の感染制御に役立つ、新しく強力な分子疫学ツールを提供することができる。
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研究実績の概要 |
近年、世界中でAcinetobacter baumannii のカルバペネム耐性菌が増加傾向にあり、抗菌薬治療の選択肢が大幅に制限されている。本菌は細胞間で耐性遺伝子を受け渡すことで簡単に耐性化する。適正な抗菌薬治療や感染制御対策を行うためには、迅速かつ高精度な耐性遺伝子の検出システムが必須となる。しかし、現行の日常臨床検査において遺伝子同定は操作の煩雑さや費用面から実施が困難である。当研究室では独自に、配列特異的な標的遺伝子を認識して殺菌するCRISPR-Cas13a配列をバクテリオファージ(ファージ)に搭載した抗菌カプシドを開発した。本技術は核酸の増幅を必要としない細菌遺伝子の鑑別法である。申請者は、本殺菌効果が極めて強力かつ完璧な配列相同性を要求することを見出し、遺伝子型別法への応用が充分に可能だと考えた。 本年度は、臨床分離Acinetobacter baumannii144株からマイトマイシンCを用いて細菌の染色体上に組み込まれているプロファージ(溶原性ファージ)の誘発条件の最適化に成功した。アシネトバクター感染症への治療薬を開発するために、アシネトバクターファージの分離法を確立した。臨床分離Acinetobacter baumannii144株を用いて864個の溶原化ファージ溶液から、32株の溶原化ファージの分離に成功した。そのファージは、144菌株に対する宿主感染域が14.5から65.7%を示した。宿主感染域が29.4から65.7%のプロファージ8株のゲノム解析を実施し、CRISPR-Cas搭載に関連する遺伝子も同定した。本申請の成果は、検体細菌と抗菌カプシドを混合培養し増殖の有無を目視するだけで判定できる。さらに、医療現場の業務や費用の負担軽減に繋がる強力な検査ツールを提供できると確信する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、臨床分離Acinetobacter baumannii144株からマイトマイシンCを用いて細菌の染色体上に組み込まれているプロファージ(溶原性ファージ)の誘発条件の最適化を実施した。一般的に、プロファージの宿主感染域は狭いことが知られている。研究開始当初は、申請者も同様にプロファージが誘発できないまたは宿主感染域が狭いプロファージのみが取得された。これに対して、臨床分離Acinetobacter baumannii144株に対して、培地、温度、時間、マイトマインC濃度および濃縮と精製法について詳細を検討した。その結果、臨床分離Acinetobacter baumannii144株を用いて864個の溶原化ファージ溶液から、32株の溶原化ファージの分離に成功した。そのファージは、144菌株に対する宿主感染域が14.5から65.7%を示した。宿主感染域が29.4から65.7%のプロファージ8株のゲノム解析を実施し、CRISPR-Cas搭載に関連する遺伝子も同定した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、前年度に取得した臨床分離Acinetobacter baumannii144株に対して宿主感染域が29.4から65.7%のプロファージ8株を用いて、多剤耐性アシネトバクターの簡易遺伝子型別法に利活用できる抗菌カプシドの構築を実施する。 申請者はすでに、抗菌カプシドを構築するために、Acinetobacter baumanniiと宿主感染域が広いプロファージ8株のゲノム解析を完了した。さらに、ベクタープラスミドの収集した。現在、取得したゲノム情報を基にCRISPR-Cas13aの搭載を進めている。申請者は標的遺伝子探索とCRISPR-Cas13a配列の最適化するために、モデル耐性遺伝子としてOXA-51型カルバペネマーゼ遺伝子を用いて耐性遺伝子を認識するガイドRNAを設計する。分担者は、菌株型別が可能な配列を探索する。さらに、モデル遺伝子にORF遺伝子配列を用いて多様なガイドRNAから殺菌能が高い配列を複数を特定することを計画している。
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