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「リハ漢方」の確立を目指した、リハビリテーションにおける漢方薬の効果の基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K07440
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52010:内科学一般関連
研究機関東京大学

研究代表者

矢可部 満隆  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10747265)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード補中益気湯 / 廃用性筋萎縮 / リハビリテーション / 後肢懸垂マウス / 漢方薬
研究開始時の研究の概要

リハビリは高齢者の骨格筋量の回復のために重要だが、それを効率化される薬物治療は確立されていない。漢方薬はリハビリにおけるエビデンスが乏しく作用機序は未解明である。本研究では、リハビリによる骨格筋や骨の回復過程における漢方薬の効果を基礎的に検討することで「リハ漢方」という概念の確立を目指す。In vitroでは筋管への電気刺激、in vivoでは骨格筋量減少マウスへの運動負荷を模擬的リハビリとし、そこに漢方薬補剤 (補中益気湯, 人参養栄湯) を投与して骨格筋および骨に対する作用メカニズムに着目することで、リハ漢方として漢方薬の新たな可能性を解明する。

研究実績の概要

補中益気湯 (TJ-41) が廃用性筋萎縮に与える効果を、無血清培地下で培養したC2C12筋管 (in vitro) および後肢懸垂マウス (in vivo)を用いて検証した。TJ-41はC2C12筋管において、筋萎縮関連遺伝子atrogin-1の発現を抑制し、筋管径の低下を軽減した。AMPKや蛋白合成系に対しては明らかな効果を示さなかった。TJ-41は非懸垂マウスの腓腹筋においてAkt, mTORの活性を低下させ、AMPK活性を上昇させ、筋重量を増加させた。後肢懸垂モデルマウスにおいて、TJ-41は腓腹筋におけるatrogin-1発現を抑制し、腓腹筋重量低下を軽減した。以上より、TJ-41はatrogin-1発現抑制とAMPK活性化効果を有し、廃用性筋萎縮の予防に有用である可能性が示唆された。
若齢マウスに人参養栄湯またはTJ-41を重量比3%混入した餌を3週間投与後に血清および腓腹筋を回収し、メタボローム解析を行った。人参養栄湯投与により、腓腹筋内のNAD+, ATPなどのミトコンドリア関連物質と、セリンをはじめとするアミノ酸の増加を認めた。さらに人参養栄湯およびTJ-41は、血清および腓腹筋において、ロイシンの代謝産物である4-Methyl-2-oxopentanoateを有意に増加させた。
マウスに14日間の後肢懸垂を実施した後、14日間のリハビリテーション(リハビリ;ケージの中で自由行動)を実施した。リハビリ期間中、餌に重量比3%の人参養栄湯またはTJ-41を混入して投与し、さらにトレッドミルによる有酸素運動を併用することで、リハビリ促進効果を検証した。リハビリ期間終了後にマウスをsacrificeしてヒラメ腓腹筋重量を測定したところ、人参養栄湯およびTJ-41はいずれも筋重量回復を促進したが、有酸素運動による筋重量回復効果は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の研究実績の概要に記載した通り、リハビリ中のマウスに漢方薬と運動を行う実験が終了し、検体を回収済みである。本年度が研究の最終年度であるが、回収した検体を解析することで、成果を出すことが期待できる。

今後の研究の推進方策

回収した検体に対して以下の実験を行い、漢方薬および運動が骨格筋重量を改善させるメカニズムを検証する。
・定量PCR(骨格筋の分化マーカーなど)
・Western blotting(骨格筋合成系、筋分解系、ミトコンドリア機能など)
・骨格筋検体の顕微鏡的解析(筋線維の構成など)
・血清および骨格筋のメタボローム解析

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Kampo formula hochu-ekki-to (Bu-Zhong-Yi-Qi-Tang, TJ-41) ameliorates muscle atrophy by modulating atrogenes and AMPK in vivo and in vitro2022

    • 著者名/発表者名
      Mitsutaka Yakabe, Tatsuya Hosoi, Hiroko Sasakawa, Masahiro Akishita, Sumito Ogawa
    • 雑誌名

      BMC Complementary Medicine and Therapies

      巻: 22 号: 1 ページ: 341-341

    • DOI

      10.1186/s12906-022-03812-w

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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