研究課題/領域番号 |
22K07448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
福田 顕弘 大分大学, 医学部, 助教 (30628889)
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研究分担者 |
永田 さやか 南九州大学, 健康栄養学部, 准教授 (00452920)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 尿沈渣中ポドサイトmRNA / 糖尿病性腎症 / アルブミン尿 / バイオマーカー / 尿中ポドサイト / 糖尿病性腎臓病 |
研究開始時の研究の概要 |
尿沈査中ポドシンmRNA排泄量を糖尿病性腎症の早期診断および予後予測可能なバイオマーカーとして確立し、臨床パラメータを組み合わせた糖尿病性腎症重症化予測スコアリングシステムを構築するためのデータベースを作成することである。それにより糖尿病性腎症による透析導入患者ゼロ化、また透析医療に関わる医療費削減に貢献する「破壊的イノベーション」に繋がる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、尿沈渣中ポドシンmRNA排泄量と臨床パラメータを組み合わせた糖尿病性腎症重症化予測スコアリングシステムを構築するためのデータベースを大分県内の糖尿病患者で作成することである。 令和4年度の研究成果により尿沈渣中ポドシンmRNA排泄量は、早朝尿・随時尿いずれの検体使用も可能だが、得られた尿検体は直ちに4℃に保存し、24時間以内の検体処理が望ましいことを明らかとした。 この研究結果をもとに、本年度は疾患群と比較するためのコントロールとして使用する目的で、健常人における尿沈渣中ポドシンmRNA排泄量の検討を行った。 健康診断を受診し、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、アルブミン尿を認めず、内服加療をしていない健常人249例を対象とし、尿沈渣中ポドシンmRNA排泄量(U-sed pod mRNA)を随時尿で測定し、尿中クレアチニン(Cre)および尿沈渣中 AQP2 mRNA(U-sed AQP2 mRNA)で補正した。健常成人において、U-sed pod mRNA/Creは60歳未満では各年代間に有意差は認めなかったが、60歳以上では有意に減少していた。60歳以上では約30%の症例でU-sed pod mRNAは検出できず、尿沈渣中total RNAは60歳未満と比較して約50%減少、U-sed AQP2 mRNAは全症例で検出できたが、60歳以上でU-sed pod mRNAと同程度の有意な減少を認めた。一方、U-sed pod mRNA/U-sed AQP2 mRNAおよび性差は全年代で有意差を認めなかった。 本年度の研究結果より健常成人では、全年代においてU-sed pod mRNA/U-sed AQP2 mRNAが正常コントロールとして使用可能であった。尿沈渣中に排泄される細胞のmRNAシグナルは加齢により低下する可能性も考えられ、更なる検討を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多施設共同研究施設を選定する前にコントロールとして使用する健常人での尿沈渣中ポドシンmRNA排泄量の検討が必要であり、本年度はその検討を行った。そのため当初の予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今までの2年間の研究により尿検体の採取方法と保存方法の条件を確立し、疾患群と比較するためのコントロール群の測定を行った。今後、研究施設を選定し多施設共同研究開始を進めていくが、加齢による尿沈渣中mRNAシグナル低下の可能性についての検証も同時に進めていく。さらに尿沈渣中ポドシンmRNA排泄量と臨床データを組み合わせた糖尿病性腎症重症化予測スコアリングシステム構築のためのデータベースを作成していく。
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