研究課題/領域番号 |
22K07457
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
小林 良樹 関西医科大学, 医学部, 准教授 (10375298)
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研究分担者 |
神田 晃 関西医科大学, 医学部, 教授 (70375244)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 好酸球性エクソソーム / AXL / micro RNA |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性副鼻腔炎(ECRS)は、喘息を合併する難治性の好酸球性気道炎症である。研究代表者らは、その病態の核となる好酸球が気道上皮とコンタクトすることで生じるステロイド感受性の低下が治療抵抗性の一因であることを見出しているが、その詳細なメカニズムは明らかにはされていない。 本研究の目的は、好酸球性気道炎症における好酸球由来エクソソーム内のmicro RNA (miRNA)を同定し、その気道上皮細胞機能への影響を検討すること、そして、日常診療で得られる臨床サンプルを用いたエクソソーム測定方法を確立させて診断補助及び病性把握としての活用法を検証し、最終的には新しい治療戦略の開発を目指すことである。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に抽出したmiRNA-432-5pのターゲットなる遺伝子について検証を行った。AXL、CARD8、GMNC、MAN1A2、NES、PPP1R18、DUSP16のmRNA発現レベルについて、好酸球性副鼻腔炎症例の活性化好酸球(末梢血分離好酸球)と共培養した気道上皮細胞で解析した。AXL、CARD8、PPP1R18、DUSP16の発現がコントロール(健常者)と比較して有意に低下していた。そのうち、AXLとCARD8のみにおいて蛋白レベルでも発現低下を確認することができた。 続いて、AXLとCARD8のsiRNAを用いたノックダウンモデル(気道上皮細胞)の作成に取り組んだが、AXLに関しては約40%までタンパクレベルを低下させることができた。CARD8に関しては現在も至適条件を検討している(siRNAを再デザインして検証中)。AXLノックダウンモデルを用いて好酸球性ムチンの溶解速度を検証したところ、有意にムチン溶解が遅延されることがわかった。さらに、本モデルを用いてステロイド感受性に関しても検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
活性化好酸球と共培養した気道上皮細胞における標的遺伝子の発現低下に対するエクソソーム放出阻害剤の影響の検討ができていない。 もう一つの標的遺伝子であるCARD8のノックダウンモデル(気道上皮細胞)の至適化が完了していないために、同モデルを用いた機能評価の検討ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究の主体は、診断補助や病勢マーカーとしての好酸球性エクソソーム由来miRNA測定方法を確立させることである。経口で吸気を行い、鼻から呼出して、口鼻マスクに接続した携帯型呼気凝縮液採取装置で呼気凝縮液を採取し、エクソソーム由来の標的miRNAの検出を行う。喘息合併ECRS症例から呼気凝縮液のサンプリングを行い、好酸球性エクソソーム由来miRNAの測定方法を確立させる。多量の好酸球性エクソソーム由来のmiRNAが含まれていることが予想される好酸球性ムチンの上清や健常コントロールの呼気凝縮液から得られるパターンと比較し、標的miRNAの疾患特異性や病勢マーカーとしての有用性について検証する。 同時に、AXLとCARD8のノックダウンモデルを用いた機能解析(気道上皮細胞における炎症性サイトカインの産生能やステロイド感受性など)も進めていく。 また、標的分子の活性化に基づいた新規治療薬の探索も行う。AXLやCARD8の活性化を指標として、天然化合物ライブラリーから新規治療薬やドラッグリポジショニングの可能性を探る。
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