研究課題/領域番号 |
22K07471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
安田 尚史 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (50403233)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 1型糖尿病 / 腸管炎症 / DSS / NOD / 発症抵抗性 / 膵島炎 / インテグリン / 免疫代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
1型糖尿病(T1D)は細胞性免疫異常を主体とした臓器特異的自己免疫疾患で、T細胞が主体となって膵β細胞傷害を引き起こしインスリン欠乏を来たし糖尿病発症に至る。T1D患者は一生インスリン治療を必要とするため、発症予防の研究は非常に重要であるが、膵島抗原を用いた発症予防の試みはこれまで成功には至っていない。本研究は、腸内細菌叢や腸管ウイルス感染とT1D発症との関連に着目し、腸管炎症による腸内環境変化の誘導を契機としたT1D発症メカニズムの解明と、この腸炎誘導T1D発症モデルにおいて免疫細胞の代謝制御を通じた「免疫代謝療法」による予防的治療を検討し、更なる展開を目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究では、1型糖尿病(T1D)発症予防を目的として、腸管炎症による腸内環境変化の誘導を契機としたT1D発症メカニズムの解明と、この腸炎誘導T1D発症モデルにおいて樹状細胞(DC)等の免疫細胞の代謝制御を通じた「免疫代謝療法」による予防的治療への展開を目指したものである。 1) T1D発症抵抗性マウスでの腸炎モデルによるT1D発症検討 NOD遺伝子を有するもT1D発症抵抗性マウス(雄性NODマウス、NOD-lprマウス、Ins1欠損NODマウス)に対して、腸管感染を模倣するDSS投与による腸炎モデルの実験系を用いて腸管バリア破綻や腸管透過性亢進などを惹起することでT1D発症を誘導できるかどうかを検討した。すなわち、3%DSSを各8週齢のT1D発症抵抗性マウスに継続的に7日間飲水投与する投与群と非投与群で検討し、いずれも程度の差はあるものの投与群で非投与群と比較して強い膵島炎を誘導できたがT1D発症にまでは至らなかった。 そこで、3種類のT1D発症抵抗性マウスのT1D発症率の検討、膵島炎の程度の組織学的検討、腸管の組織的検討、脾細胞や膵リンパ節の免疫細胞でのフローサイトメトリーによる表面分子や細胞内分子による細胞分画の検討(活性化マーカーCD44, CD69やメモリーマーカーCD44hiCD62Lhiなどや制御性マーカーのFoxp3発現など)の検討、腸管特異的インテグリンであるインテグリンβ7発現の検討を行い比較した。 2) NOD-lprマウスへの追加での薬剤投与による発症誘導の試み NOD-lprマウスは全く膵島炎や糖尿病発症を呈さないマウスであるが、DSS投与腸炎モデルにより著明な膵島炎の誘導が明らかになった。そこでさらにサイクロフォスファミド(CY)投与によるCY誘導T1Dモデルにおいて糖尿病発症まで誘導が可能かどうかを現在検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に理由はありません。
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今後の研究の推進方策 |
NOD-lprマウスは全く膵島炎や糖尿病発症を呈さないマウスであるが、DSS投与腸炎モデルにより著明な膵島炎の誘導が明らかになった。そこでさらにサイクロフォスファミド(CY)投与によるCY誘導T1Dモデルにおいて糖尿病発症まで誘導が可能かどうかを検討し、発症率の検討、発症メカニズムの解明を進めていく予定である。
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