研究課題/領域番号 |
22K07475
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
中島 信久 琉球大学, 病院, 特命准教授 (70749770)
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研究分担者 |
藤 也寸志 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 院長 (20217459)
高橋 秀徳 帝京大学, 医学部, 准教授 (70576206)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 緩和ケア / がん治療 / IOP / ESMO-DC / がん診療連携拠点病院 / がん治療と緩和ケアの統合 / 早期からの緩和ケア |
研究開始時の研究の概要 |
近年、がん治療のより早い段階から質の高い緩和ケアを併走させることの重要性が強調され、その実現のためには「がん治療と緩和ケアの統合(IOP)」が鍵となるが、標準プログラムがないことがその実践を困難にしている。 海外では欧州臨床腫瘍学会が開発したESMO-Designated Center (ESMO-DC)がIOP実践のためのプログラムとして注目されている。国内外のESMO-DC認定施設ならびに国内のがん診療連携拠点病院を対象とした質問紙調査などをもとに、IOP実践に向けた課題を明らかにし、がん診療を担う病院におけるIOP実践のためのmade in Japanのプログラムを開発することを目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は国内外のEuropean Society of Medical Oncology - Designated Center (ESMO-DC)認定施設におけるIntegration of Oncology and Palliative care (IOP)実践のための課題を整理し、各施設における対応策についての検討のもとに、IOP推進のための骨格となるプランの策定準備を行うこととした。 (1) 国内のESMO-DC認定施設間での情報共有については、昨年度はメールやオンラインミーティングで行うこととしたが、5月にCOVID-19の5類移行を受けて、このうちの3施設の代表者と、日本緩和医療学会や日本臨床腫瘍学会などの学術集会の際に、対面での話し合いの場を設けることができ、問題点の掘り下げや具体的な対策について意見交換を行った。 (2) ESMO (European Society of Medical Oncology)の年次集会(10月;Madrid, Spain)の際にESMO-DCワークショップの場において、現在のESMO-DCのchair personであるStain Kaasa先生(Professor, Oslo University: Director of European Palliative Care Research Collaborative)を始め、諸外国のESMO-DC認定施設の関係者と本テーマについて話し合い、さらにはESMO-Asia(12月、Singapore)においてアジア各国のESMO-DC認定施設の担当者とのミーティングを行い、東アジアを中心としたアジア圏におけるIOP実践に向けた課題の整理と対応策について意見交換した。 (3) (1)、(2)の取り組みをもとに全がん協に所属する全国のがんセンターならびにがん診療連携拠点病院を対象とした質問紙調査の素案の作成に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度に予定した国内外のESMO-DC認定施設とのIOPの展開に向けた話し合いが、COVID-19 パンデミックの影響で実質的に約1年分遅れた。こうした状況の中、メールやオンラインミーティングを行い、さらには2023年度に対面でのミーティングを国内外で行えたことで、質問紙調査の内容確定に向けた準備を当初の予定より遅れてはいるものの進めることができた。こうしたことから、「(3)やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に行った国内外のESMO-DC認定施設の関係者とのミーティングの内容をもとに、2024年度に行うべき活動について検討した。以下の4点が取り組みの骨格となる予定である。 (1)人的リソースについて:専門的緩和ケアの提供ならびに基本的緩和ケアレベルでのIOPの実践を促進させる人材の充足、(2)提供する医療サービスについて:症状コントロール目的の入院、家族サポートプログラム、プライマリケア医と連携した在宅緩和ケアの提供、レスパイト入院の受け入れなど、患者や家族が安心して自宅で過ごすことができる環境の整備を促進するための方策、(3)研究について:緩和ケアや患者・かぞくのQOLに関連した研究の促進(終末期がん患者を対象としたリハビリテーションの有効性検証試験などを実施中)、(4)教育について:「Oncology とPalliative careとの間で双方向性の教育」や「Integration を促進する教育」を行うことを通して、質の高いIOPの実践ならびに次世代のリーダーの育成 以上の点を整理し、今後、国内でのIOP実践のために取り組むべき課題を明確にすることを目指す(がん診療連携拠点病院でのIOPの実装を目指したmade in Japanのプログラムの策定が2024年度以降の取り組みのゴールとなる)
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