研究課題/領域番号 |
22K07493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
久保田 智哉 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20573231)
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研究分担者 |
高橋 正紀 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20359847)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | チャネル病 / 反復発作性運動失調症 / EA2 / EA1 / 遺伝子解析 / Cav2.1 / 神経筋チャネル病 / カルシウムチャネル / カリウムチャネル / ナトリウムチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
神経筋チャネル病の中でも、CACNA1A遺伝子変異による疾患群を主な対象として、1.神経筋チャネル病患者の臨床症状と遺伝学的解析、2.トランスポゾンシステムにより、対象チャネルを培養細胞に発現させ、モデル細胞を構築、3.変異チャネルの機能喪失の定量化(Dye-based membrane targeting assay)、4.変異チャネルの機能獲得の定量化(電気生理学的解析)の4つの段階で研究を進める。これらにより、新規変異が同定された場合にも、体系的な病原性評価を進めることができるようになる。
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研究実績の概要 |
神経筋チャネル病とは、神経細胞や骨格筋細胞に発現するイオンチャネルの異常により発症する疾患の総称である。イオンチャネルをコードする遺伝子に変異が生じることで発症する遺伝性疾患である。希少疾患であるため、神経筋チャネル病の医学研究は、遺伝学的解析がなされた個々の臨床報告、発見された遺伝子変化による変異チャネルの機能解析を中心に理解が進んできた。一方で、同一家系内で同一遺伝子変化をもつ患者同士でも発症年齢や表現型が異なることがある点など、未解明な点も多く残されている。また、遺伝子変化が同定されても、その遺伝子変化が新規変異である場合に、病原性を確定するための電気生理学的機能解析に時間がかかる点なども問題となっている。本研究では、神経筋チャネル病における診断パイプラインの改善、遺伝子型・表現型相関(genotype-phenotype correlation)の解明を通じて、神経筋チャネル病の診断率の向上、ひいては新規の治療薬開発にも繋がる基盤を構築することである。具体的には、①神経筋チャネル病患者の臨床症状と遺伝学的解析、②トランスポゾンシステムによるチャネル複合体の培養細胞発現、③変異チャネルの機能喪失の定量化(Dye-based membrane targeting assay)、④変異チャネルの機能獲得の定量化(電気生理学的解析)のステップで進める計画である。R4年度は、①について、本邦でのCACNA1A遺伝子変異による神経チャネル病の臨床像と遺伝子診断を新たに一例見出した。また、②について、神経チャネル病のうち、反復発作性運動失調症(EA)1型(KCNA1遺伝子)と2型(CACNA1A遺伝子)の発現実験に必要なクローンを作成した。また、筋チャネル病であるSCN4A遺伝子やKCNJ2遺伝子に関する系を用いて、③膜発現定量化の解析手法の最適化をすすめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①神経筋チャネル病患者の臨床症状と遺伝学的解析について、新たに一例の症例について自験例を集積した。②トランスポゾンシステムによるチャネル複合体の培養細胞発現について、EA1の原因であるKCNA1遺伝子にコードされるKv1.1の発現実験を開始した。またEA2の原因であるCACNA1A遺伝子にコードされるCav2.1αサブユニットはほかのα2δサブユニット、βサブユニット、γサブユニットと複合体を形成するため、まずはα1サブユニットと発現に関与の深いβサブユニットの複合体を発現するクローンを作成した。今後、発現実験を開始する。③変異チャネルの機能喪失の定量化(Dye-based membrane targeting assay)について、筋チャネル病にかかわるNav1.4とKir2.1をもとに定量化解析手法を改善し、取得した画像からCanny edge detectionを改良した手法でデータ抽出できるようにし、再現性の高いデータ取得ができるようになった。計画通り、概ね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り進んでおり、引き続き研究を推進していく。
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