研究課題/領域番号 |
22K07519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
樋口 雄二郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (10867724)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脊髄小脳変性症 / 新規原因遺伝子 / エクソーム解析 / COA7 / FGF14 / 小脳失調 / FXTAS / CANVAS / 臨床疫学 / SCD |
研究開始時の研究の概要 |
指定難病である脊髄小脳変性症(SCD)は、まだ未解明な部分が多く、有効な治療法も確立していない。本研究の目的は、SCD患者のDNAを用いて遺伝的原因を徹底的に追求し、詳細な疫学データ・臨床的特徴を明らかにし、また新規原因遺伝子を同定し、病態モデル細胞・疾患モデル生物(ショウジョウバエ・マウス)を樹立・解析することで、SCDの治療法開発のための病態解明のブレイクスルーを行うことである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は以下の2点である。 ①脊髄小脳変性症 (Spinocerebellar Degeneration: SCD)の包括的な遺伝子検査を継続させ、国内SCD患者の詳細な疫学データ・臨床的特徴を明らかにする。 ②SCDの新規原因遺伝子を同定し、臨床的・遺伝学的解析を行い、病態モデル細胞・疾患モデル生物(ショウジョウバエ・マウス)を樹立・解析することで、SCDの治療法開発のための病態解明のブレイクスルーを行う。 ①については、南九州を中心とした小脳失調症症例におけるFGF14リピート解析(SCA27B)を行い、本年度に学術論文として報告した。具体的には、遺伝性小脳失調症疑い940症例を対象にFGF14遺伝子GAAリピートを解析し、11家系12症例に病的リピート伸長を認め、その臨床的特徴や遺伝学的特徴を報告した(Ann Clin Transl Neurol.2024). また、新規原因遺伝子COA7の新規3家系を同定し、小脳失調、ニューロパチー以外に新たにジストニアやパーキンソニズムを呈する症例を見出した。COA7関連疾患がより多様な表現型を呈する疾患であることを明らかにし、遺伝性ジストニア、家族性パーキンソン病、遺伝性痙性対麻痺など、より多くの症例に対してCOA7遺伝子検査を実施することを提唱した(Journal of Neurology. 2023)。 ②については、エクソーム解析にて、新規候補遺伝子Xを同定している。遺伝子Xについては、臨床的・遺伝学的解析が済み、次年度は病態解明のため、疾患モデル生物(ゼブラフィッシュ)を樹立・解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・新規のSCDの患者(およそ60名)の遺伝子検査を継続して実施できており順調である。 ・新規のSCDであるSCA27B患者の国内疫学データ・臨床的特徴を明らかにし、論文に掲載された。 ・エクソーム解析によりSCDの新規候補遺伝子Xを同定することができた。病的意義の検証や機能解析がまだ実施できておらず、次年度に疾患モデル生物(ゼブラフィッシュ)を樹立・解析を進める必要がある。 ・SCDの新規原因遺伝子COA7変異については、新規3家系を同定することができ、彼らの表現型を詳細に評価し、学術論文に報告できた。
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今後の研究の推進方策 |
・新規のSCDの患者(およそ60名)の遺伝子検査を継続して実施できており順調である。 ・エクソーム解析によりSCDの新規候補遺伝子Xを同定することができた。病的意義の検証や機能解析がまだ実施できておらず、次年度に疾患モデル生物(ゼブラフィッシュ)を樹立・解析を進める必要がある。 ・本邦のSCD患者約1500例の網羅的な遺伝子解析の結果を集計し、疫学データとしてまとめ、次年度に論文投稿予定である。
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